
NEW2026.08.19 Wed
コアントロー『MARGARITA CHALLENGE 2026 JAPAN FINAL』レポート創意工夫を凝らしたマルガリータで競演。Wang Shengさん(The SG Club)が日本初開催「MARGARITA CHALLENGE」優勝を果たす
BAR TIMES レポート【PR】レミー コアントロー ジャパン株式会社
2026年8月7日、レミー コアントロー ジャパン株式会社(東京都港区/ゼネラルマネージャー ロイック・ビュゾラン)主催のカクテルコンペティション「MARGARITA CHALLENGE 2026 JAPAN FINAL」が開催された。「MARGARITA CHALLENGE」は、プレミアム オレンジリキュール『コアントロー』を用いるカクテルの傑作「オリジナル・マルガリータ」へのオマージュとして誕生したコンペティションで、出場者は独自のマルガリータを創作して技術と創造性を競う。これまでに、世界のバーシーンで活躍する数多くの才能を輩出してきた。本大会は、記念すべき日本初の開催となる。
6名のファイナリストが競うなか、グランドチャンピオンに輝いたのはWang Shengさん(The SG Club/東京)だ。Wangさんは日本代表として、11月にフランス・アンジェで開催されるグローバル・ファイナル出場の切符を手にした。第2位には松尾輝さん(The Bvlgari Bar/東京)が選出された。多彩なマルガリータで会場を沸かせた大会の様子をレポートする。
真夏の夕暮れ時、「ホテルインディゴ東京渋谷」11階に位置する「Gallery 11 Restaurant & Bar」に、6名のファイナリストが集結した。広々としたテラスを備え、渋谷の街を一望できる開放的な会場は、スタートを前にした緊張感と期待感に包まれ、次第に熱気を帯びていった。
1849年、フランス・アンジェで誕生したプレミアム オレンジリキュール『コアントロー』。「SHAKE IT UP」というコンセプトを掲げ、カクテルをシェイクするだけでなく、発想や日常そのものをシェイクすることで、新たな価値や驚きを生み出すという精神をもつ。創業以来変わらぬ製法を守りながらも、常に新たな発想と遊び心を取り入れ、唯一無二のブランドとして世界中で愛され続けている。
そんな「SHAKE IT UP」の精神を体現する取り組みのひとつ、「MARGARITA CHALLENGE」の開催は世界を舞台に2026年で6回目を迎える。日本初開催となる本大会「MARGARITA CHALLENGE 2026 JAPAN FINAL」は、プレゼンテーションはすべて英語。「シークレット・イングリディエント」として用意された10種類の材料のうちの1つがランダムに割り当てられ、自身のカクテルに組み込むことが求められた。ファイナリストの個性を生かしたマルガリータで競い合った。
審査を務めたのは、2018年「La Maison Cointreau International Final」優勝者のデミ・キムさん(ZEST/韓国・ソウル)、2001年より日本のバーカルチャーを取材・執筆し、国内外へ発信してきた英国出身のライター、ニコラス・コールディコットさん、そして2018年「La Maison Cointreau Japan Final」優勝者の中根庸介さん(TRUNK/東京)である。
競技後にはアフターパーティーが開かれ、表彰式を実施。デミ・キムさんによるコアントローを主役にした一夜限りの限定カクテル「BLOSSOM MARGARITA」をはじめ、冷たく喉を潤すフローズンマルガリータやコアントローマルガリータフィズなどが振る舞われ、会場は競技中とはまた違った華やかな雰囲気に包まれた。
グランドチャンピオンに輝いたのは、Wang Shengさん(The SG Club/東京)だ。
カクテル名は「NEO GARITA」。創作の出発点となったのは、「シークレットイングリディエント」としてランダムに与えられた材料「トマト」だった。中国で育ったWangさんにとって、トマトは苦手な食べ物だったが、来日後に食べた「冷やしトマト」をきっかけにその印象は一変した。
「冷たく、さっぱりとしていて、旨味があり、まるで果物のようです。驚いたことに、私はトマトが大好きになりました。トマト自体は変わっていないのに、私の視点が変わったことによって、馴染みのないものが大好きなものへと変わりました。この体験が、未知のものを受け入れ、新たな価値へと変えていく『SHAKE IT UP』の精神につながりました」
さらにWangさんは、1868年の明治維新にも着想を得た。多くの新しい文化や思想、食材を受け入れながら、それらを日本独自のものへと変容させていった歴史と、自身が日本で経験した「視点の変化」を重ね合わせたのだ。1849年にフランス・アンジェで誕生したコアントローと、明治維新という歴史的転換点の近さにもインスピレーションを得た。
Wangさんは今大会を振り返り、今年11月に臨むグローバル・ファイナルへの闘志を見せた。
「今回、味の構築と同じほど力を注いだのが英語によるプレゼンテーションでした。意図を分かりやすく、しっかり伝えることを重視し、もっとも多くの時間を費やしました。11月のグローバル・ファイナルへの想いはただひとつ、『勝つ!』ことです。私の日本行きを応援していたわけではない中国にいる母にも、『今、ちゃんと頑張っている』という姿を届けたいです」
Wang Shengさん(The SG Club/東京)。1997年生まれ。中国・上海「Sober Company」でバーテンダーのキャリアをスタートし、4年間経験を積み、2024年に日本へ。東京・渋谷「The SG Club」でバーテンダーとして活躍中。

グランドチャンピオンカクテル「NEO GARITA」
Cointreau、Yuzukosho Kome Shochu、Clarified tomato water、Guava Juice、Sesame salt(gomashio)rim、Garnish:Young sansho leaf(kinome)
ベースはテキーラではなく、米焼酎に柚子胡椒をインフューズ。トマトと親和性のあるグアバを組み合わせ、グラスのリムには日中双方で馴染みのあるごま塩を用い、日本と中国の異なる文化や人とのつながりを表現。
松尾輝さん(The Bvlgari Bar/東京)
第2位に選出されたのは、カクテル「Neon Epilogue」を披露した松尾輝さんだ。大学時代、友人たちと明け方まで居酒屋で過ごした青春の記憶から着想を得たカクテルを考案。焼酎やトマトの漬物、きゅうりといった当時の身近な味わいに、「夜の終わりは、新たな始まりでもある」という感覚を重ね、オリジナル・マルガリータに新たな解釈を加えた。

カクテル「Neon Epilogue」
Cointreau、Fennel infused Shochu、Absinthe、Melon and tomato milk punch(Melon, tomato, syrup, lime, milk)、Maqaw pepper、Garnish:Tomato leather(Leftover tomato, lemon, honey, spice)
酒粕由来の米焼酎にフェンネルを浸け、居酒屋のきゅうりの青さを再現。アブサンなどを加え、朝の清々しい空気を表現した。空気を優しく含ませるスローイングで仕上げた。
杉川眞弥さん(BAR JUNIPER/大阪)
カクテル「Heritagé Doré」
Cointreau、Apple cider shrub、Tequila blanco、Burdock bitters、Dried yellow bell pepper、Garnish:Recycled burdock powder(half rim)
『コアントロー』のオレンジの風味を最大限に引き出すべく、『コアントロー』とテキーラの伝統的な配合比率を逆転させ、コアントローをベースとしたマルガリータを提案。フレッシュライムジュースの代わりに自家製アップルサイダーシュラブを採用し、甘酒や「シークレット・イングリディエント」の黄パプリカを合わせ、時を経ても色あせない価値と受け継がれた知恵が新たな表現へと紡がれていくことを意味するカクテルを披露した。
山崎美翔さん(Canes & Tales, WALDORF ASTORIA OSAKA/大阪)
カクテル「A Garden of Curiosity」
Chamomile tequila、Cointreau、Corn Shrub、Lotus beets cardamom syrup、Cardamom、Garnish:White wine salt(half rim)、Paring: Pumpkin seed snack
「好奇心がすべてを動かす(Curiosity sparks everything)」という言葉を発想の源とし、材料は子供の頃から親しんだ祖母の庭から着想。カモミールをインフューズしたテキーラに、自家製のコーン・シュラブやレンコン&カルダモンシロップを合わせた低アルコールのマルガリータを披露した。パティシエでもあったコアントロー氏に思いを馳せ、キャラメリゼしたカボチャの種をガーニッシュに添えた。
山田真生さん(CITADEL/福岡)
カクテル「Salamander(山椒魚)」
Tequila Blanco infused with Aloe Vera Yogurt、Cointreau、Roasted Red Bell Pepper
素材の美しさや本質を引き出すことをテーマに、バーベキューで体験した「火が引き出すパプリカの旨味」から着想。トレーディングカードゲームに見立てたプレゼンテーションで披露したのは、ローストパプリカが香るコニャックやヨーグルトインフューズのテキーラ、“切り札”のコアントローを合わせた1杯。カクテル名「Salamander(山椒魚)」にちなんだ山椒ビネガーソーダや塩パプリカのガーニッシュが彩りを添える。
河野成未さん(The Bar, The Ritz-Carlton, Tokyo/東京)
カクテル「Dual Weaver」
Yin Infused Tequila、Cointreau、Acid-Adjusted Clarified Tomato Juice、Garnish:Salted Shishito Pepper
東洋の「陰陽」の哲学をテーマに、相反する要素の調和を描いたモダンマルガリータを提案。太陽のエネルギーを感じさせるテキーラとトマトの「陽」に対し、黒トリュフやセージの香りを纏わせた「陰」を対比させた。これらを繋ぐキーアイテムとして、「優雅さと力強さ」「甘味と柑橘」を融合させる『コアントロー』を重ねる。ガーニッシュの塩漬けシシトウで塩気を構成しつつ、大地と太陽の調和、苦難の先にある人生の美しさを表現した。
大会を終え、審査員のデミ・キムさんは「私は審査員でもありますが、ひとりのバーテンダーでもあります。皆さんからの創造性と情熱をたくさん感じさせていただいて、私自身にとってもたくさんのインスピレーションやモチベーションになりました」とコメント。すべての出場者をたたえるとともに、大会を支えたレミー コアントロー チームへ感謝を語った。
マルガリータというクラシックカクテルを起点に、ファイナリストそれぞれが異なる着想で独自のカクテルを誕生させた本大会。それは同時に、日本のバーシーンから、新しい才能が世界へ羽ばたく可能性を示す舞台ともなった。
インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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