
NEW2026.09.24 Thu
ネグローニをもっと自由に。もっと身近に。山田寛之と髙橋裕也が表現する
CAMPARI × iichikoのネグローニ
NEGRONI WEEK 2026 Special Interview Vol.1「世界で最も売れているクラシックカクテル」ランキング(英国の業界誌「Drinks International」が発表)で5年連続世界1位に輝く、カクテル「ネグローニ」。その魅力をより多くの人へ届ける「NEGRONI WEEK 2026」に合わせ、2026年9月7日から9日までの3日間、東京・恵比寿「BAR TRAM」で、CAMPARIとiichiko によるスペシャルイベントが開催された。
期間中は、国内外で活躍する6人のバーテンダーが、日替わりで2人ずつカウンターに立ち、『CAMPARI』と『iichiko 彩天』を使ったスペシャルカクテルを提供。ネグローニの魅力を伝えながら、新しい味わいを体験できる3日間となった。
NEGRONI WEEK 2026 Special Interviewでは、各日のゲストバーテンダーに、ネグローニの魅力と『CAMPARI』と『iichiko 彩天』を掛け合わせた新たな表現について訊く。
Vol.1では、初日にゲストシフトを務めた山田寛之さん(BEE'S KNEES/京都)と、髙橋裕也さん(THE KAHALA HOTEL & RESORT YOKOHAMA/横浜)が登場。2人の言葉とこの夜だけのカクテルを紹介する。
山田寛之「苦味とうまみの出会いから、ネグローニの新しい表情が生まれます」
「ネグローニの魅力は、しっかりとした味わいとコクがありながら、どこにスポットを当てるかによって、まったくキャラクターが変わるところだと思います。ジン、カンパリ、スイートベルモットを同量で合わせるというシンプルなレシピでありながら、ベースをカルヴァドスに変えたり、チョコやカカオを使ってリッチな味わいにすると、また違う魅力が生まれます。使う素材やアプローチによって、驚くほど多彩な表情を見せるのです」
そう語る山田寛之さん(BEE'S KNEES/京都)は、『CAMPARI』を共通の素材とする「アメリカーノ」や「ブールヴァルディエ」など、多彩なカクテルが親しまれていることにも、その表現の幅広さが表れているという。その中心に常に存在するのが『CAMPARI』だ。
「“No Negroni Without CAMPARI”ですから(笑)。いろんなバリエーションがあっても、ネグローニの中心にはやっぱりCAMPARIがいる。そこも魅力だと思います」
山田さんは、イタリア本国で『CAMPARI』のイベントに参加した際、ブランドを愛する人々の情熱にも強く惹かれたという。
「“Red Passion”というブランド哲学の通り、本当に情熱を持ってCAMPARIを愛している人たちがいて、それを肌で感じられたことが素晴らしかったですね。長い歴史を持ちながら、伝統を守るだけではなく、アートとコラボレーションするなど、常に伝統と革新を続けているところも魅力だと思います」
日本でネグローニをさらに広げていくためには、入口を増やすことも必要だという。
度数が高く、初めて飲む人にとっては少しハードルが高いカクテルだが、フルーツを合わせたり、ロングスタイルにアレンジしたりすることで、愉しみ方は大きく広がる。
「今は低アルコールの志向もありますし、もっといろんな入口があっていいと思います。日本には、お茶や柑橘の皮、春野菜など、苦味を楽しむ食文化があり、苦味自体にはもともと親しみがあると思うんです。食前酒として愉しめるシチュエーションをどう提案していくかが大切なのかもしれません」
山田さんは、『CAMPARI』と『iichiko 彩天』を組み合わせることにも、大きな可能性を感じている。
『CAMPARI』は、鮮やかな赤色と、苦味、スパイス感、甘味が複雑に重なり合う唯一無二の存在。『iichiko 彩天』は、43%のアルコール度数を持ち、カクテルのために設計された本格麦焼酎。常圧蒸留由来の豊かなうまみと華やかな香りを持ち、海外でも「麹」への注目が高まっている。
「iichiko 彩天は、素材自体に強さとうまみがあります。香りも華やかで、カクテルに使うと独特のまるみや奥行きが生まれるのです。さらに、使う副素材や、10ml単位で配合を変えるだけで、まったく違う表情が生まれます。ふたつの個性が出会うことで、これまでにないカクテルが生まれる可能性が広がります」

山田寛之のネグローニ・ツイスト
ストロベリーと麹が描く、まろやかでリッチなネグローニ
山田さん提案のネグローニのツイスト「Fortuna Rossa(フォルトゥーナ・ロッサ)」は、「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」で優勝した際のチャンピオンカクテルをベースに、『iichiko 彩天』を取り入れて再構築したものだ。メスカルを、ストロベリーをインフューズした『iichiko 彩天』に置き換えた。
「iichiko 彩天を使うと、メスカルを使ったオリジナルに比べ、穏やかでまるみのある味わいになります。麹由来のうまみも加わって、飲みやすく、でもしっかりとコクのある仕上がりになりました」
Fortuna Rossa(フォルトゥーナ・ロッサ)
〈材料〉
CAMPARI / Strawberry infused iichiko Saiten / Sweet vermouth / To-fu foam
Garnish : Strawberry powder
山田寛之のオリジナル・ロングカクテル
赤と白の花が咲く、ドリンカブルな1杯
コンセプトにしたのは、1本の木から赤と白、そして赤白が混ざり合った花を咲かせる「源平桃」。その名は、紅白の花が競い合うように咲く様子を、源氏の白旗と平家の赤旗が入り乱れる合戦の情景になぞらえたことに由来するという。『CAMPARI』と『iichiko 彩天』という個性的な素材を組み合わせ、両者の個性をぶつけるのではなく、美しいグラデーションとして表現した。
「源平桃のように、赤と白、いろんな色や香りがひとつになっているイメージです。CAMPARIの鮮やかな赤と、iichiko 彩天の華やかさを、花を思わせる香りのレイヤーでつなぎました。ネグローニの世界へ入るための新しい入口になるカクテルを目指しました」
MISS FIORE(ミス フィオーレ)
〈材料〉
CAMPARI / iichiko Saiten / Bee’s Breeze honey / Grape vinegar /Peach cordial / Ice-brewed Earl Grey jasmine / Spice
Garnish : Lemon peel / Baby’s breath
髙橋裕也「『あの、いいちこが!?』と驚かれるアイコン的存在感も活かしたい」
髙橋裕也さんは、ネグローニの魅力をこう語る。
「つくる側にとっては材料も工程もシンプルですし、飲む側にとってもわかりやすい。でも、そのなかに複雑さがある。それが一番の魅力だと思います」
近年、ネグローニが世界的な人気を獲得した背景には、クラフトジンの存在も大きいと髙橋さんはいう。世界各地で個性豊かなクラフトジンが誕生し、地域性や造り手の個性を表現するようになった。そのジンをネグローニに使えば、1杯の表情も変わる。
「カスタマイズ性が高いんです。そこで重要になるのがCAMPARIの存在です。どんな個性の強いジンでもしっかりと受け止める懐の深さがあり、ネグローニとして成立させてくれます」
髙橋さんは、『CAMPARI』を単なるハーブリキュールではなく、確固たる「アイコン」だと捉えている。誰もが一目でわかる鮮やかな赤。他に代えがたい苦味と甘味。その存在感があるからこそ、さまざまな素材を受け入れながらも、カクテルとしての軸がぶれない。
一方、日本では「いいちこ」もまた、誰もが知るアイコンのひとつだ。
「ホテルのバーでカクテルにiichiko 彩天を使うと、『あの、いいちこが!?』と驚かれることも少なくありません。これほど日常的に親しまれてきた本格焼酎がバーテンダーの技術によって新しい表情を見せる。水割りやお茶割りといった『割り算』の飲み方から、さまざまな素材や技術を重ねる『掛け算』の飲み方へ展開していく、というコンセプトも僕は大好きです」
髙橋さんは、『CAMPARI』と『iichiko 彩天』というふたつのアイコンが出会うと、甘味と苦味にうまみが重なることで、長い余韻が生まれることに着目している。それは、ネグローニの新しい入口にもなると考える。
「食後にロックでゆっくり愉しむ飲み方にも合うので、日本のバー文化にもすごく合うと思います。日本でネグローニをさらに広げるためには、体験の機会を増やすことが大切です。昔は苦くて飲めなかったコーヒーが、ミルクや砂糖と出会い、甘苦い味わいを経て日常的な飲み物になったように、ネグローニにもまだ多くの入口があります。コーヒーやチョコレート、ティラミスなど、知っている味、好きな味からカクテルの世界へ入る工夫があれば、ネグローニはもっと身近になるはずです」

髙橋裕也のネグローニ・ツイスト
出汁と柚子で、うまみと余韻を最大限まで引き出す
着想の源となったのは、日本料理の「お椀もの」だという。イタリア生まれのネグローニに、日本料理が大切にしてきた出汁や香りの感覚を重ねる。
「出汁と柚子の香りの立ち方をカクテルで表現したいと思いました。スイートベルモットの代わりに、麹の限界値に挑んだ日本酒『Tsuchida 麹99%』を合わせました。さらにメスカルを数滴。ウマミ・ビターズと柚子ジュースを加え、味わいに奥行きを与えています。『レベル99』という名前の通り、目指したのはうまみと余韻を最大限まで引き出すこと。香ばしさ、柚子、苦味、うまみが次々と現れ、長く続いていきます」
KOJI NEGRONI LV.99(コウジ ネグローニ レベル99)
〈材料〉
CAMPARI / iichiko Saiten / Tsuchida Koji 99% / Montelobos Pechuga / Umami bitters / Yuzu juice
Garnish : Crispy glutinous barley cracker
髙橋裕也のオリジナル・ロングカクテル
夕暮れの食卓とアペリティーボ。醤油一滴がつなぐ新しいアメリカーノ
アメリカーノをベースに、日本の夕暮れの食卓風景を重ねたロングカクテルである。髙橋さんがイメージしたのは、夕方になると家庭の窓から漂ってくる煮物の香り。醤油、ジンジャー、そして『iichiko 彩天』が持つ麹のニュアンス。そこに、イタリアの夕暮れに愉しむアペリティーボ文化を重ねた。親しみやすくも奥深いロングカクテルだ。
「カクテルの決め手となったのが、一滴の醤油。ギリギリまで入れるかどうか悩んでいました。醤油を入れなければ、フルーティーで軽快に飲めます。でも、イメージしたテーマを完成させたくて、うまみと塩味を入れるべく、醤油を採用しました。ぜひ、添えたみりん焼きをかじりながら、味わってみてください」
EVENING GLORY FIZZ(イブニング グローリー フィズ)
〈材料〉
CAMPARI / iichiko Saiten / Cinzano Rosso / Peach syrup / Ginger beer / Soda / Foamee / Pernod / Soy sauce
Garnish: Mirin-grilled / Olive
PHOTO REPORT
ゲストシフトの風景



インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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