BAR TIMES

2017.07.25 Tue

BAR TIMES 編集企画 ジントニックスタイル Vol.3「ジュニパー香るジンらしいジンだから
“これぞ王道”のジントニックがいい」

新井加菜 × ゴードン

ジントニックスタイル
ジントニックは店の顔。シンプルなレシピなだけに使用する素材、つくり方などバーテンダーの思いが反映され、その店の味わいの傾向が分かるという。バーテンダーはその1杯にこだわり、悩み、自分の味わいを模索する。ジントニックは理想とする形を永遠に追い求められるカクテルのひとつなのではないだろうか。トップバーテンダーたちががつくるジントニック、そのスタイルを紹介する。
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プロフィール


新井加菜(あらい・かな)

学生時代にイタリアンレストランでアルバイトを経験し、そこから飲食業界への興味をもつ。卒業後は、ショットバーやオーセンティックバーで修業を重ね、5年前から現在の「BAR AVANTI」へ。世界的なバーテンダーコンペティションである「ワールドクラス2016日本大会」ではTOP10ファイナリストまで勝ち進んだ実力を持つ。



力強く香るジュニパーベリーと
あえて強めの酸味を合わせた絶妙バランス。


ジンとトニック。材料がそのままカクテル名になった何とも分かりやすいシンプルな一杯。ジン、トニックウォーター、ライムだけを使った王道のスタイルで、なおかつそれぞれの特性を生かしたジントニックをつくるのが、BAR AVANTI(東京・銀座)の新井加菜氏だ。レシピがシンプルであるがゆえに3つのポイントを大切にしていると語る。
「まずひとつはジンとライムのバランスです。ベースであるゴードンは45ml、それに対してライムジュースは15ml入ります。私もいろいろなバーでジントニックを飲みましたが、おそらく他のお店よりもライムの量は多いんじゃないかと思いますね。酸味をしっかりと効かせることで、ゴードンらしい力強く香るジュニパーベリーとのバランスをとり、飲みやすくしているんです。トニックウォーターは甘味、苦味のバランスがとれたシュウェップスを使っています。力強いジン、多めのライム、トニックウォーターのバランスで“すっきり”とした印象を持たせています。バーでの1杯目としてふさわしく、後味もすっきり爽快な味わいになるよう重点を置いています」。

「カクテルをつくる時、メインは何か、それを際立たせるのは何かをいつも考えます。その上で素材それぞれの特徴を生かしてベストなバランスをつくり上げることを意識しています」と新井氏。

一連の動作をスムーズに完結させる
計算の上に成り立った氷の組み。

 


ジントニックはバーテンダーの考え方、つくり方ひとつで味わいに大きな違いが生まれる。そこがこのカクテルの面白いところでもあり、奥深い部分でもある。新井氏の場合、理想の味わいをつくり出すため氷の組み方にもポイントがあるという。しかもこれがかなり重要な要素なのだ。
「グラスに小さい氷、大きな氷、中くらいの氷の順に組んでいきます。そうすることでバースプーンがスッと入って回しやすくなる。うちのお店ではジンは冷凍、ライムジュースは冷蔵しているので、温度と比重の異なるふたつをしっかりグラスの中で混ぜ合わせる必要があるんです。そのためにはバースプーンをグラスの底まで入れ、十分に混ぜられる隙間がなくてはいけません。また、氷の隙間を狙って躊躇なく一気にトニックウォーターを注ぎ込むことでグラスの中でトニックがぐるっと回り、対流である程度自然に混ざります。最後に軽くバースプーンでステアしますが、その時も氷にひっかかるようでは炭酸のシュワシュワ感が損なわれてしまいます。バースプーンの入れやすさと回しやすさ、トニックの注ぎやすさと対流のしやすさ、計算された氷の組み方だからこそこの一連の動作がうまくいくんだと思います。

仕上げは、口に近づけた時にジュニパーベリーと柑橘がふわっと香るようライムカットをのせます。3つ目の氷にあえて中くらいのサイズを選んでいるのは、ライムがきちんと収まるように。これも計算のひとつです」。

氷の組み方は店のオーナーである岡崎氏からの伝授。新井氏自身もいろいろ試してみた結果、今の組み方は実に理に叶っているという。


世界で初めてジントニックを生んだジン。
だからこそ“THE GIN & TONIC”でありたい。


ゴードンは世界で初めてジントニックを生んだブランドと言われている。1769年の誕生から約250年、現在では約180ヵ国で愛飲されているジンだ。そのゴードンをジントニックのベースにすることの意味を新井氏はこう話す。
「ジンらしいジンだと思います。シトラスやフルーティーなどボタニカルによってジンにも様々な特徴がありますが、ゴードンはジュニパーベリーの香りが本当に豊かです。これまで47.3%あったアルコール度数が、この春のリニューアルで43%に下がりました。一般的に度数が下がるとその分香りもボディ感も軽くなる傾向にありますが、ゴードンの場合軽くなったのはアルコール度数だけ。結果的にジュニパーベリーの香りが強調されていますね。スムースでやわらかくて、ライムやトニックとのバランスも取りやすくなりました。そういう意味では今まで以上にジントニックにふさわしいジンになったと思います。世界で初めてジントニックに使われたジンですから、そこはやはり王道のスタイル “THE GIN & TONIC”でありたい。ゴードン、トニックウォーター、ライム。それ以外は何も必要ないですね」。

「時間が経つにつれ、よりジュニパーベリーの香りが開きます。最後までジンのおいしさを楽しめるジントニックです」と新井氏。




ジントニック RECIPE
◎ゴードン ロンドン ドライジン 43%:45ml ◎ライムジュース:15ml(ライムカット分含む)
◎シュウェップス トニックウォーター:適量



新井さんのジントニックメイキング動画 撮影場所 BAR AVANTI

取材撮影/ BAR TIMES  取材協力 / キリン・ディアジオ株式会社

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