
1500.03.18 Sun
『BIRDY.』12周年記念プロジェクトしなやかに変化し続ける美しさ。
「再生」と「成長」を一杯で描く、
味わいが移ろう巳年のカクテル
十二支でめぐる物語(巳年編)/石井 さくらさん(VIRTÙ / フォーシーズンズホテル東京大手町)『BIRDY.』は2025年11月、ブランド誕生から12周年を迎えました。
職人技術に裏打ちされた卓越した品質と洗練されたデザイン――。『BIRDY.』の12年は、常にプロフェッショナルバーテンダーとともに歩んできました。創造性、技術、ホスピタリティといったバーテンダーが体現する美学も、『BIRDY.』が大切にしてきた価値そのものです。
今回、この12という数字にちなみ、干支を重ね合わせた特別企画「十二支でめぐる物語」がスタートします。12人のバーテンダーが、自身の干支をモチーフにオリジナルカクテルを創作する特別プロジェクトです。
一杯のカクテルのみならず、そこに至る思いや歩みに触れられる内容です。世代もスタイルも異なる12人が紡ぐ、12の個性と12の物語。『BIRDY.』の12年とともに巡る、新たなストーリーをお届けします。
巳年(みどし)編にご登場いただくのは、東京・大手町のラグジュアリーホテル「フォーシーズンズホテル東京大手町」内のバー「VIRTÙ(ヴェルテュ)」で活躍するバーテンダー、石井さくらさんです。フランスと日本の感性が融合した「VIRTÙ」は、繊細さと革新性を併せ持つカクテルで国内外から高い評価を集めるバー。石井さんは、国際色豊かなゲストと向き合いながら、ホスピタリティと表現力を磨いてきました。今回は、巳年が象徴する「再生」や「成長」をキーワードに、味わいがしなやかに移ろう一杯を披露していただきました。
巳年生まれのバーテンダー 石井 さくらさん(VIRTÙ / フォーシーズンズホテル東京大手町)。
■バーテンダーを志したきっかけを教えてください
もともと私は、ものづくりが好きで料理やお菓子づくりに興味があり、最初はパティシエを目指していました。ただ、人と話すことも好きで、それを仕事にできたらという想いも持っていました。
進路に悩む中でホスピタリティの仕事を志し、ホテルの専門学校へ進学。そこで、現役バーテンダーとして講師をされていたBar LIBREの清崎雄二郎さんと出会い、バーテンダーという仕事を知りました。
お客様一人ひとりに合わせてお酒をつくる“ものづくり”と、その時間をより特別にする“会話”の両方ができるこの仕事に魅力を感じ、バーテンダーを志しました。自分がやりたかったことをどちらも叶えられる仕事だと思っています。
■バーテンダーとしての信念、大切にしていることは何でしょうか
私が大切にしているのは、“漸進する”という考え方です。これは、銀座で働いていた時のマスターに教えていただいた言葉で、日々少しずつでも成長し続けることの大切さを意味しています。バーテンダーの仕事には終わりがなく、お酒の知識や技術だけでなく、接客や空間づくりも常に磨き続ける必要があると感じています。だからこそ、一日一日の積み重ねを大切にしながら、昨日の自分より少しでも良くなれるように意識しています。そうした積み重ねが、お客様にとってより良い一杯や時間につながると考えています。
■バーテンダー人生の中で、大きな影響を与えた人や出来事はありますか
私のバーテンダー人生に大きな影響を与えてくれたのは、現在働くバーでヘッドバーテンダーを務めるKeith Motsi(キース・モッツィ)です。約3年前に出会い、彼からホスピタリティの本質を学びました。
お客様一人ひとりに寄り添う姿勢や、自然に心を開かせるトーク力、そしてチームをまとめるリーダーシップは特に印象的で、Keithが加わってからお店の雰囲気やサービスの質が大きく向上したと感じています。
また、世界中に広がるネットワークを通じて、私自身もゲストシフトの機会をいただくなど、国際的な視点を養うきっかけにもなりました。彼の影響で、技術だけでなく、人としての在り方も強く意識するようになりました。
これからは海外でも活躍できるバーテンダーを目指し、世界中の方に自分のカクテルを楽しんでいただきたいと考えています。“漸進する”という言葉を大切にしながら、技術や表現、そしてホスピタリティを磨き続けていきたいです。
巳年は、蛇が脱皮を繰り返すことから“再生”や“成長”を象徴する干支とされています。このカクテルは、しなやかに変化し続ける美しさを、一杯の中で表現しています。
口当たりは白葡萄とコアントローによって柔らかく広がり、そこからジンジャーのほのかな刺激、そしてYASOアブサンのハーバルな余韻へと移り変わっていきます。この味わいの変化を、まるで脱皮するように段階的に表情を変えていく構成にすることで、巳年の持つ“変化”や“成長”のイメージと重ねました。特にこだわったのは、ジンジャーとアブサンを加えることで生まれる、ピリリとした刺激とガツンとした力強さで、蛇の毒を表現した点です。
ベースは、フランス生まれのオレンジリキュール「コアントロー」です。スイートオレンジとビターオレンジのピールから生まれる、透明感のある甘さと繊細な柑橘の香りが特徴です。
この一杯において、コアントローは単なる甘味ではなく、味わいの変化をつなぐ存在として機能しています。白葡萄ジュースのやわらかな果実味を引き立てながら、ジンジャーのスパイスへと自然に橋渡しし、さらにアブサンのハーバルな余韻へと導いてくれます。その流れを分断することなく、滑らかに移ろわせる“媒介”の役割を担っています。
巳年のテーマである「再生」と「変化」に対し、コアントローは味わいを途切れさせることなく、変化を自然に感じさせる存在です。それはまるで蛇の脱皮のように、急激ではなく、しなやかに移り変わる変化を表現する重要な要素となっています。
また、白蛇は弁財天の使い、あるいは化身とされ、白蛇を見ると「金運に恵まれる」「運気が上がる」と考えられてきました。そうした意味を込め、仕上げには金粉をスプレーしています。
これまで食材などから着想を得てカクテルに落とし込むことはありましたが、動物をコンセプトにした創作は今回が初めてでした。難しさもありましたが、その分とても面白い挑戦でした(笑)。
これからも、さまざまな動物をテーマにしたカクテルづくりにも取り組んでみたいと話す石井さん。
ベースに選んだのは『コアントロー』。「一般的なリキュールのように重くなりすぎず、アルコールの骨格を保ったまま味わいに“輪郭”を与えるのが大きな魅力です」と石井さん。
螺旋状にあしらったライムピールは、蛇がカクテルに口を寄せる姿をイメージした、遊び心あふれる演出。グラスは、SIP AND GUZZLE『Mustache 145 MG』。MGはマルガリータグラスのようなフォルムで、ヴィンテージを感じさせる印象的なデザイン。
- 『白蛇』(びゃくじゃ)
- 〈材料〉
- ・コアントロー20ml
・ザ・ボタニスト アイラ ドライ ジン 30ml
・白葡萄ジュース 30ml
・ライムジュース 15ml
・ジンジャーシロップ 1tsp
・YASOアブサン 1tsp - 〈つくり方〉
- ①すべての材料をミキシングティンに入れ、ステアをする。
②カクテルグラスに注ぎ、ライムピールを飾って金粉をスプレーする。
『白蛇』(びゃくじゃ)のカクテルメイキング動画はこちらからご覧いただけます。
最後に道具へのこだわりや、道具によって人生が変わったエピソードについて伺いました。
私は18歳の頃にバー業界を志し、銀座のバーで働き始めた際、毎日3時間ほど、ひたすらステアの練習をしていました。そのとき使っていたのが、BIRDY.のバースプーンとミキシングティンです。使い心地が非常に良く、長時間でもストレスなく練習に集中することができました。ステアはシンプルですが奥が深く、繰り返す中で少しずつ自分の技術が磨かれていく感覚がありました。その過程を支えてくれたのが、こうした道具の存在だったと思っています。
今振り返ると、BIRDY.のバーツールがあったからこそ基礎をしっかりと身につけることができ、現在の自分につながっていると感じています。私にとっては、“道具によって人生が変わった”と言っても過言ではありません。そしてそれは、きっと多くのバーテンダーにも共通することだと思っています。
カクテル『白蛇』では、『BIRDY.』のミキシングティンを使用。今回の企画では、干支のイラストが記されたバーツールが特別に贈られた。石井さんのミキシングティンのボディには、「蛇」のイラストが施されている。
『BIRDY.』のブランドマネージャー 横山 哲也氏と。
石井さくら(いしい さくら)
フォーシーズンズホテル東京大手町「VIRTÙ」バーテンダー。日本の自然や文化から着想を得た繊細かつ革新的なカクテルを得意とし、国内外のゲストを魅了している。近年はコンペティションにも積極的に挑戦し、「RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY 2025 JAPAN」ではファイナリストに選出。東京を拠点に、国際的な活躍を視野に入れながら活動の幅を広げている。
『BIRDY.』のカクテルツールは、バーツール専門店『BAR TIMES STORE』でご購入できます。
『BIRDY.』公式サイトはこちら。
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