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2019.03.6 Wed

第6回 HBA/KOKUBU共催カクテルコンペティションWEEKLY THE BAR PLEO の
堤沙耶香さんが優勝

週刊ホテルレストラン【酒のSP】


KWV100周年記念大会
厚切りベーコンのハニーマスタード味とカクテルのペアリング


国分グループ本社㈱(東京・日本橋、國分勘兵衛会長兼CEO、以下国分)と(一社)日本ホテルバーメンズ協会(東京・市ヶ谷、小森谷弘会長、以下HBA)が両社共催によって開催した「第6 回HBA / KOKUBU 共催カクテルコンペティション」は、その規模だけでなく趣旨においてもバー業界とカクテル文化に新たな提案を投げかけている。

優勝した堤沙耶香さん。KWV100周年記念大会の趣旨に副うカクテルを創作した。

このコンペティションは1999年に国分主催として開催された「国分ヤングバーメンズ カクテルコンペティション」に始まり、2012年まで10回にわたり開催してきた。13年からはHBAとの共催による全国大会として行なわれ、今大会で6回目を数えた。 第4回大会から、国分が販売する加工食品「缶つま★レストラン」シリーズとのフードペアリングを模索する内容として、バー業界に向けた新しい提案がなされているコンペティションだ。
昨年10月28日に行なわれた大会は、国分が輸入する南アフリカ共和国のワイン、KWV(南アフリカ・ブドウ栽培農業協同組合)の創設100周年記念大会として企画された。創作カクテルに課されるテーマも、KWVと国分の50年以上におよぶパートナーシップに寄り添うものだ。昨年までの2大会と同様に「食事と愉たのしめるカクテル、フードペアリング」であるが、KWVが造る白・ロゼ・赤のスティルワインやスパークリングワイン、ジンやブランデーを用いて、「厚切りベーコンのハニーマスタード味」との親和性とカクテルとしてのクオリティーが問われる。

こうしたテーマでHBAの全国12支部から選ばれた30人のバーテンダーがエントリーした決勝に、会場のグランドニッコー東京 台場は急きょ観覧席を増席するにぎわいを見せた。

優勝作品「Dress Up」

《レシピ》
KWV クラシック・コレクション
シャルドネ 30㎖
レリティエ・ギュイヨ クレーム・ド・カシス・
ド・ディジョン 20㎖
KWV ブランデー 3 年 10㎖
アリーゼ ローズ 1tsp

《デコレーション》
K&K ブラックオリーブ、オレンジピール、レモンピール

創作意図
格式あるワインは果実とブランデーを身にまとい、深紅のカクテルへとドレスアップ。記念の節目を華やかに飾ります。KWV100年の歴史と未来に祝福の想いを込めて。
Photo by Koji Arimitsu


左から、準優勝の阿部翔平氏、優勝した堤さん、南アフリカ共和国のロイズ・クズワヨ駐日全権大使、第3位の小林淳氏。


ワインが大半の中でジン、ブランデー というチョイスも


カクテル創作の規定は、課題商品であるKWV のワインやスピリッツのいずれかをショートカクテルでは10㎖以上、ロングカクテルは40㎖以上を使用し、生鮮食品を除き国分商品で構成すること。作品審査は、カクテルのネーミングやコンセプト、ビジュアル、香りとテイスト、大会テーマとの関連性による20ポイントと、食とのマッチング5ポイントで評価され、5人の審査員の合計125ポイント。また、礼節と身だしなみ、立ち居振る舞いと調合技術、カクテルの過不足などを3人の技術審査員による50点満点が加算される。

フードペアリングを考えたときに、ベースにワインを選ぶのは妥当な考えだろう。実際、30人のうち16人がスティルワインもしくはスパークリングワインを用いた。この中にはジンやブランデー、バーボンなどで味わいを強めたレシピもあった。一方で、9人はジンを、5人はブランデーをチョイスした。いずれからもバーテンダーらしいチャレンジが垣間見えた。

優勝は、西関東支部代表の堤沙耶香さん(神奈川・藤沢、THE BAR PLEO)。受賞カクテル「Dress Up」はKWV クラシック・コレクション シャルドネをベースにカシスリキュール、KWV ブランデー3年とアリーゼ ローズによるもの。南アフリカで文化を育んだワインが果実とブランデーを身にまとい、深紅のカクテルへとドレスアップした様を、KWV100周年の祝福とともにグラスで表現した。このカクテルはフードペアリング賞も同時受賞した。

準優勝はカクテル「Serruria ~可憐なる愛~」を創った阿部翔平氏(ANAクラウンプラザホテル札幌)。第3位は「Limit 100 ~更なる高みへ…~」の小林淳氏(グランドニッコー東京 台場)で、小林氏はベストテクニカル賞も受賞した。この3人は副賞とともにKWV による南アフリカ共和国への研修旅行に招待される。

コンペティションで審査員を務めた観光庁 観光地域振興部 観光資源課 地域資源活用推進室長の山田亜紀子氏は、
「政府の成長戦略、地域創生として観光は一つの柱。外国人旅行者の楽しみにも観光地めぐりやショッピングから、個人のニーズに即した特別な体験が求められている。ナイトタイムの魅了的なエンターテインメントとして、各地のホテルで個性的なカクテルが提供されることで観光業界の発展につながることを期待している」とコメントした。

準優勝の阿部翔平氏
第3位の小林淳氏

■開催日:2018 年10 月28 日
■会場:グランドニッコー東京 台場
■優勝:堤沙耶香(THE BAR PLEO)
*ベストフードペアリング賞同時受賞
■準優勝:阿部翔平(ANA クラウンプラザホテル札幌)
■第3 位:小林淳(グランドニッコー東京台場)
*ベストテクニカル賞同時受賞■KWV 賞:田口司(名古屋マリオットアソシ アホテル)/小坂駿(京王プラザホテル)/ 増田鉄平(BAR 倉吉中洲)

■ギャラリー賞:長門良樹(川越プリンスホテル)

■味覚審査員:山田亜紀子(観光庁 観光地域 振興部 観光資源課 地域資源活用推進室長)/田辺由美(ワインアンドスピリッツ文 化協会理事長)/髙橋典裕(国分グループ 本社 マーケティング統括部 マーケティング 開発部長)/小森谷弘(HBA 会長)/古澤 孝之(HBA 理事・カクテルコンペティション 委員長)

■技術審査員:野田浩史(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)/下迫靖文(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)/ 高野勝(HBA 理事・カクテルコンペティション委員)

*上記すべて敬称略


週刊ホテルレストラン【酒のSP】特集ページ


週刊ホテルレストラン2019年2月8日号より転載

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