BAR TIMES

2016.07.1 Fri

SAKETRY 「思い出のボトル」第十二回よりアイル・オブ・ジュラ
クエルクス2周年記念ボトル
渡邊 篤史 氏

絵:佐藤英行
文と写真:いしかわあさこ

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ヴァイキングの言葉で「鹿の島」を意味するスコットランド・ジュラ島には、野生の鹿が4~5千頭も棲息している。人口は200人ほどだから、鹿に出会う確率のほうが高い。島民は鹿から農地や植林を守るため、設置されたフェンスの内側で生活しているくらいだ。2002年、渡邊篤史さんはアイラ島のポートアスケイグ港から小さなフェリーに乗り、クレイグハウス村にあるジュラ蒸留所を目指した。
「蒸留所の近くにある『ジュラホテル』に宿泊しましたが、テレビもつかないし、シャワーも出なくて最初は戸惑いました。地元の人が集まるパブで飲んだり、名物の鹿肉ハンバーガーを食べたりして楽しかったですね」


蒸留所へ行くと、自分で樽を選びボトリングすることになった。ラベルの左上に大きく描かれた鹿が、ジュラ島を思わせる。ウイスキー業界の重鎮マシュー・D・フォレスト氏に勧められ、その右側に前年オープンした店のロゴを加えて2周年記念ボトルにした。”Quercus(クエルクス)”は、樽の材料になる主な木材Oak(オーク)の学名。店の入り口から樽が迎え、自家製スコッチハギスなどのスコットランド料理が人気だ。
「58.8%のカスクストレングスなのでパンチが強く、若さを感じるウイスキーですね。ストレートがお勧めですが、加水するとより甘さが広がります。実は、1周年の時もジュラが記念ボトルでした」
毎年10月に向けて周年記念ボトルを詰め、既に14本のオリジナルがあるが、最初の2年を連続で務めたジュラとフォレスト氏との思い出は深い。また今年も新たな1本が、カウンター左右のキープボトル棚に現れる。

Quercus Bar
東京都豊島区東池袋1-32-5 大熊ビルB1F
03-3986-8025
営業時間:18:00~02:00(金・土~04:00)/無休

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佐藤英行
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
facebook https://www.facebook.com/h.sato.phs

いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
今宵のバー? http://www.koyoinobar.com/
facebook https://www.facebook.com/asako.ishikawa.5

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