BAR TIMES

2016.06.20 Mon

“ミスタージン”の異名をとるビーフィーター マスター・ディスティラー“ INSPIRED BY JAPAN”
デズモンド・ペイン氏が語る
『ビーフィーター24』誕生ヒストリー

サントリーアライド株式会社

ジン製造において世界で最も経験豊かなマスター・ディスティラー(蒸溜責任者)とされるデズモンド・ペイン氏。1994年からビーフィーターのマスター・ディスティラーの職に就いたペイン氏は、創業者ジェームズ・バローによってつくりだされた伝統のレシピと頑固な物づくりの精神を受け継ぎ、今も守り続けています。そのデズモンド・ペイン氏がこのほど来日。氏が生み出し、今や世界中のバーテンダーから愛されている『ビーフィーター24』の誕生ストーリーをお話いただきました。
(撮影場所/BAR TIMES STORE)

05255ビーフィーター マスター・ディスティラーのデズモンド・ペイン氏。

約200年の時を超え、
今も守り続けられる創業者のレシピ。

「『ビーフィーター24』の誕生ストーリーの前に、まずはビーフィーターブランドについて少しお話しましょう。ビーフィータージンは、薬剤師であったジェームズ・バローという人物によって1820年に誕生しました。彼はロンドン・チェルシーに当時すでに存在していた蒸溜所を購入し、そこで自分のレシピを開発しました。それが今のビーフィーターです。バローは、9種類のボタニカルとそれを24時間ピュアアルコールに浸透させるスティーピング製法によってビーフィータージンを完成させました。おそらく薬剤師としての経験があったからでしょう、彼はアルコールと多彩なボタニカルを実にうまく融合し、バランスの良いすぐれたレシピをつくり出しました。おいしいカクテルと同様、良いジンもバランスが大切なのです。現在ロンドンにある蒸溜所のオフィスには、バローの肖像画が壁にかけてあります。ちょうど私の机の目の前に掲げられていて、彼のつくったレシピを変えないようずっと私を見張っています(笑)」。

“より近代的なジンに進化させたい”
その思いを胸に開発に取り組んだ新レシピ。

「2007年、私に新しいジンをつくってみないかというお話がありました。40年以上ジンの製造に携わってきましたが自分自身のレシピでつくったことはありませんでした。 “つくるからにはより近代的なジンに進化させたい”、私はその一心でさっそく開発に取り組みました。先ほども言いましたが、ビーフィーターの味わいと香りのバランスはまさに完璧で、そのベースを崩すことはどうしてもしたくなかったのです。ですから私に残された道はただひとつ、ボタニカルを加えることしかありませんでした。しかし、ビーフィーターに使われている9種類のボタニカルはひとつのファミリーのようにお互いが非常に良い相性で結ばれています。どんなボタニカルだったら新しい家族としてすんなり迎えてくれるのか、悩む私の頭にあるインスピレーションが浮かんだのです。“そうだ! 一年前に日本で味わったお茶。お茶ならばこれまでにない新しいレシピができるかもしれない”。これが『ビーフィーター24』誕生の幕開けです」。


05254『ビーフィーター24』は日本の煎茶にインスピレーションを受けたと話すペイン氏。
“INSPIRED BY JAPAN”
記憶を呼び覚ました日本での茶の出会い。

「レシピ開発の一年前、私は仕事で日本を訪れていました。海外に行くといつもバーを訪れお酒を楽しむのですが、その時も一日の仕事を終えバーに立ち寄りました。普段はジントニックを飲むこともあるのですが、せっかく日本に来たのだから、郷に入っては郷に従えとトニックウォーターの代わりに冷たい煎茶でジンを割ってみたのです。日本の人はデイタイムによくお茶を飲むでしょう、ですからその国の人が普段親しんでいるソフトドリンクを使ってカクテルを飲んでみいと思ったのです。しかしこれが意外な発見でした。煎茶の苦味と豊かな香りがジンと非常にマッチしてとてもおいしかったのです。新レシピを開発する時、その記憶を思い出したのですね。まさに“INSPIRED BY JAPAN”。もしあの時日本を訪れていなかったら、もしあの時煎茶でジンを割って飲んでいなければ『ビーフィーター24』は今とはまったく違うレシピになっていたかもしれません」。


世界中の様々なお茶を集め
茶のテイスティングコースで猛勉強。

「お茶には様々な種類があります。日本のお茶もあれば、中国のお茶、紅茶もあります。また、産地や製法によっても味わいや香りが違ってきます。お茶について詳しく知ろうと思った時、たまたまロンドン在住でお茶に精通している方がいたので私はその方の元で猛勉強をしました。30種類以上の茶葉をテイスティングし、既存のボタニカルと相性の良いお茶を一つひとつ探したのです。幾度となく試行錯誤を繰り返した結果、やはり日本の煎茶が味も香りもジンにぴったりだということが分かりました。これで新たなボタニカルのひとつが日本の煎茶に決まり、その香りをより引き立たせるために中国の緑茶を少量とグレープフルーツの皮を足し12種類のボタニカルとして『ビーフィーター24』を完成させました。当初私が目指した“近代的なジンに進化させたい”という思いは日本の煎茶をボタニカルにすることで叶えられたのです。私は自分自身のレシピにとても満足しています。

05251日本の煎茶を新たなボタニカルに加えた『ビーフィーター24』。


『ビーフィーター24』の評価は
世界中のバーテンダーの笑顔を見ればよく分かる。

「『ビーフィーター24』は2009年に発売されました。このジンをもっと広く多くの人に知ってもらおうと始めたのがロンドンで開催したビーフィーター グローバル バーテンダーコンペティション「MIXLND(ミックスロンドン)」です。ビーフィーターは、ロンドン・ドライ・ジンのカテゴリーで唯一ロンドンに蒸溜所を構えているブランドです。ですからロンドンで開催することに非常に大きな意味を持っているのです。「MIXLDN」は2011年から実施されていますが、参加は4カ国、出場したバーテンダーは50名ほどと最初はとても小規模でした。しかし年々その規模は大きくなり、昨年は32カ国、1200名以上のバーテンダーが参加するコンペティションに成長しました。どのバーテンダーも心から楽しんで参加している様子を見ると、『ビーフィーター24』は世界中のバーテンダーから愛されているのだということがよく分かります。それは私にとってとても嬉しいことであり、最高の評価なのです。

052522011年 ビーフィーター グローバル バーテンダーコンペティション「MIXLDN」の様子。




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プロフィール

Desmond Payne(デズモンド・ペイン)
ジン製造における世界で最も経験豊かなマスター・ディスティラー(蒸溜責任者)の一人。40年以上ジン作りに携わり、1994年よりビーフィーターのマスター・ディスティラーに就任。ビーフィーターの変わらぬレシピを守り続け、製造に使用するボタニカル(草根木皮)を厳選することに努めている。



24bnr

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