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『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』発売記念イベント「Blender’s Talk」「竹鶴」の哲学をブレンダーが語る。限定シリーズ『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』イベントレポート
BAR TIMES レポート[PR]ニッカウヰスキー株式会社
竹鶴を超えられるのは、竹鶴だけ——プライドをかけたブランド哲学を掲げ、日本にしかできないウイスキーを体現する「竹鶴ピュアモルト」が新シリーズを発表した。
2030年に発売30周年を迎える節目に向け、2026年から5年にわたり、毎年数量限定発売するシリーズで、2026年6月16日に第1弾『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』が登場する。
2026年5月、フォーシーズンズホテル東京大手町で開催された発売記念イベントでは、発売前の『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』をテイスティング。構成原酒として使われている貴重な「余市」「宮城峡」の2000年原酒も提供された。
ブランドマネージャーの織田大原希美(おだおおはら のぞみ)さんを聞き手に、チーフブレンダーの井関潤治(いせき じゅんじ)さんがこの度の設計と新しい幕開けにかける思いを語った。
東京・大手町、最上階から都心を一望する夕暮れの会場で、『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』の発売記念イベントが開催された。窓の外にはゆっくりと夜へ向かう東京の景色が広がり、15名の参加者が新しい「竹鶴」の幕開けを見届けた。
「竹鶴ピュアモルト」は2000年に誕生したブランドだ。ニッカウヰスキーが誇る「余市」と「宮城峡」、2つの蒸溜所のモルト原酒をヴァッティングし、力強さと華やかさを共存させている。「余市」モルトの重厚なコクとピート感、「宮城峡」モルトのフルーティーでやわらかな香り。異なる個性を調和させることで、「竹鶴」ならではのなめらかな飲み心地が生まれている。
会場となったフォーシーズンズホテル東京大手町 39F「ソーシャルルーム」。
ニッカウヰスキー、チーフブレンダーの井関潤治さん。1996年アサヒビールに入社し、2001年よりニッカウヰスキーブレンダー室へ。北海道工場(現・北海道 余市蒸溜所)での製造部長やニッカウヰスキー本社にて、生産戦略立案や原料調達などで経験を積み、25年にチーフブレンダーに就任。
発売当時を振り返り、井関さんは「2000年は、ニッカウヰスキーにとって大きな転換期だった」と語る。2001年の営業統合を目前に控えた時期に発売された「竹鶴」は、市場から高い評価を獲得した。
「非常においしいという評価をいただき、価格面でも手に取りやすかった。ここから行くぞ、という空気を社内にもたらしたブランドでした」
一方で、「竹鶴」という名を商品に冠することには、並々ならぬ覚悟があったという。創業者・竹鶴政孝氏の名を付けることは、社員にとって特別な意味を持っていた。織田大原さんは、当時在籍していた元社員から聞いたエピソードとして、「政孝さんの名前を呼び捨てにするなんて、と反対の思いを抱いていた方もいた」と明かした。それでも、ウイスキー消費量が低迷していた冬の時代を打破するため、ニッカウヰスキーは「竹鶴」の発売を決断したのである。
そして2026年、新シリーズ『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』が始動する。「竹鶴」の本質=エッセンシャルを、毎年異なる角度から掘り下げていくシリーズだ。 井関さんは言う。
「竹鶴の最大の魅力は、異なる原酒同士が調和してひとつの世界をつくり上げるブレンディング技術にあります。第1弾は樽の個性の引き出し方にフォーカスし、なめらかさを保ちながら、挑戦的ともいえる原酒構成によって新しい表情を描きます」
「宮城峡の飲み心地はきちんと担保しながら、余市の力強さを表現してほしい」
開発時、織田大原さんが井関さんへ伝えたリクエストは、まさに相反するテーマだった。井関さんが思わず「大変だ……」と漏らしたことで、その難題ぶりを察したと振り返る。
『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』で鍵となったのは、シェリー樽原酒の使い方だ。通常の「竹鶴ピュアモルト」においてもシェリー樽由来のニュアンスは重要な要素だが、今回は単純に比率を増やすのではなく、「リッチで重厚なコク」と「余市モルト由来のピート感」が互いを打ち消さず、相乗効果を生むバランスを追求した。
当日、モデレーターを務めたブランドマネージャーの織田大原さん
「特に難しかったのは、“竹鶴らしさの境界線”をどこに設定するかでした。シェリー樽を強く押し出しすぎれば、それはシェリー樽風味のウイスキーになってしまう。あくまで余市と宮城峡が調和してこそ、竹鶴でなければならないのです」
1%未満の配合差を調整しながら、試作品は何十パターンにも及んだ。ブレンダーたちはテイスティングを重ね、約80種類のモルト原酒をヴァッティングすることで着地した。
「最終的に、これこそが新しく、竹鶴の本質だ、と全員が納得できた時は本当に嬉しかったですね」
石炭直火蒸溜ならではの香ばしさをどう伝えるかも重要なテーマだった。最初に、レーズンやドライフルーツのようなリッチで甘やかな香りが立ち上がりながらも、それだけで終わらないのが『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』だ。
「奥から、石炭直火蒸溜を継ぐ余市モルト由来のスモーキーな香ばしさが追いかけてくるのがおわかりいただけるかと思います。口当たりは非常にシルキーで滑らかでいて、中盤からブワッと豊かなコクと、カカオやビターチョコレートのような心地よい苦味が広がります。そして、ここが一番のこだわりなのですが、飲み込んだ後の余韻ですね。宮城峡モルトの軽やかでフルーティーな余韻が抜けた後に、余市の力強いピート香が心地よく、非常に長く持続します」
テイスティングでは、「竹鶴ピュアモルト」と『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』に加え、さらに貴重な構成原酒である2000年蒸溜の「竹鶴」「宮城峡」の原酒を含む計5種類が提供された。これらの原酒は現在の商品にも使用される貴重なストックで、単体で味わえるのは極めて特別な体験だ。
今回は、最初に完成品である「竹鶴ピュアモルト」と『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』をテイスティングし、その後に構成原酒を味わう構成が採用された。完成形を先に知ることで、それぞれの原酒がどのように全体を形づくっているかを、より立体的に理解できるからだ。
「竹鶴ピュアモルト」は、リンゴやアンズを思わせる甘酸っぱい果実香が印象的で、バナナやネーブルオレンジのようなフルーティーさが広がる。
『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』は、「余市」の原酒由来のモルティで香ばしいトップノートが際立ち、クッキーを思わせる甘い香りに、2000年宮城峡原酒由来の熟成感が重なる。味わいでは、しっかりしたモルトの甘みとピートのコクが共存し、そこにビターなニュアンスが調和する。
井関さんは、「ピートは少量加えると甘さを引き立てますが、入れすぎるとバランスが崩れてしまう。今回は甘みに変換できるギリギリを狙いました」と繊細な設計を明かした。
「『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』は、まずストレートで味わってから、トワイスアップで愉しんでいただけたらと思います。カカオ分の高いダークチョコレートやドライイチジク、さらにスモーキーな鴨のローストや燻製チーズとの相性も抜群です」
イベントの最後、井関さんはこう締めくくった。
「2000年に誕生した竹鶴ピュアモルトは、竹鶴政孝の情熱を未来へつなぐために、当時の先輩たちが覚悟を持って送り出したブランドです。今回の『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』には、その感謝と未来へ向けた私たちの覚悟を詰め込みました。2030年に向けた5年間の旅を一緒に楽しんでいただければ幸いです」
「竹鶴」の原点と未来、その両方を一夜で体感する濃密な体験会となった。
インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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