BAR TIMES

2018.10.15 Mon

バーテンダー 高橋直美×ニッカ チーフブレンダー 佐久間正が語らうカフェジンの魅力「ジントニックにしたらどう広がるか。
甘みと山椒の個性に好奇心が湧きました」

BAR TIMES 編集部


今では世界でも稀少な存在となったカフェ式連続式蒸溜機。「カフェスチル」とも呼ばれるこの蒸溜機から生み出される蒸溜液は、原料由来の香りや味わいがしっかりと残る。その味わいのある蒸溜液に、和のスパイスである国産の山椒とフレッシュな香味を持つ和柑橘を合わせたのが「カフェジン」だ。世界でも類を見ない個性あふれるこのジンを使い、世界一のバーテンダー高橋直美がカフェジンならではのジントニックをつくる。そしてそれを味わうのがニッカウヰスキー チーフブレンダーの佐久間正だ。一杯のジントニックから広がるカフェジンの魅力について、プロの使い手とプロのつくり手が語り合う。(撮影場所:バー・ガスライトEVE/東京・銀座)



「青実山椒は緑色の香りがしてとてもフレッシュ。
カフェジンの特徴を生かすにはぴったりですね」

高 橋 本日はようこそいらっしゃいました。佐久間チーフブレンダーとお話する機会をいただき嬉しく思っています。
佐久間 こちらこそ。私もカフェジンを使ったジントニックをいただけると聞いてとても楽しみにして来ました。
高 橋 ありがとうございます。カフェジンはインパクトがありますよね。初めて口にした時「あっ、山椒だ!」ってすごく衝撃を受けました。山椒のジンはこれまでにないですし、高知出身なので個人的にも山椒は大好き。一気に心惹かれました。それにまろかなのでスピリッツ特有のピリピリ感がないんですよね。ジントニックにしたらどんな味わいに広がっていくんだろうって、すごく好奇心が湧きました。
佐久間 あちらのメニューボードに“山椒のジントニック”って書いてあるのがそうですか。
高 橋 はい。もっと凝った名前にしようと思ったんですけど、この方がお客様にも分かりやすいですし、見た目にも山椒を使っていますので。
佐久間 それは実に楽しみです。
高 橋 では早速おつくりします。まずグラスのフチに山椒のパウダーを付けます。次に氷を一つ入れてカフェジン、ライム、ライムジュース、少量のトニックウォーターを注ぎます。カフェジンのまろやかさで酸味や苦味、甘みを包み込むように、底の方から空気を含ませるようにしっかり混ぜます。そしてライムの果皮、氷をもう一つ加え、最後にトニックウォーターで満たせば山椒のジントニックの出来上がりです。さあどうぞお召し上がりください。

高橋直美(たかはし なおみ)
第39回全国バーテンダー技能競技大会総合優勝、I.B.A.ワールドカクテルチャンピオンシップ2013 チェコ・プラハ大会プレ・ディナーカクテル部門優勝、第28回高知県民賞 龍馬賞受賞など輝かしい経歴を持つ。現在東京・銀座「バー・ガスライトEVE」の店長を務める。


佐久間 山椒の緑がとてもきれいですね。山椒も柑橘類ですから、ジントニックには合うでしょうね。
高 橋 ええ、茶色い山椒よりもこの青実山椒の方が緑色の香りがしてとてもフレッシュなんです。カフェジンの特徴を生かすという点ではぴったりだと思っています。
佐久間 (ひと口飲む)うん、これはいい! 山椒のパウダーがピリピリと舌を刺激してクセになりそうです。
高 橋 ありがとうございます。お酒が好きな方の中には刺激のある味わいを好まれる方もいますので、このジントニックはすっかり当店の定番メニューとなりました。たまにメニューボードに書き忘れると「山椒のアレ、ないの?」とお客様に言われるほどです(笑)。私がカフェジンに出会った時と同じように、山椒の香りや味わいに皆様驚かれますが、徐々に根強いファンが増えていると感じますね。

カフェジンを使った「山椒のジントニック」がメニューに。

佐久間 正(さくま ただし)
1982年ニッカウヰスキー株式会社に入社。入社後、北海道工場に配属。以降、欧州事務所長(ロンドン)、本社生産部原料グループリーダー、栃木工場長等を歴任。2012年4月からブレンダー室室長、兼チーフブレンダーを務める。


カフェジンが副材料を優しく包み込むように、グラスの底から全体をしっかりと混ぜ合わせる。


「クリーム系カクテルにも合うカフェの甘み。
カフェジンは未知なるスピリッツだと思います」

佐久間 私はあまりカクテルには詳しくないんですが、カフェジンは個性的なのでカクテルにするのは難しいところもあるんでしょうか。
高 橋 いいえ、その個性が新しいカクテルの味わいを生み出してくれるんです。まろやかで穀物の甘みがある。カフェスチルでしかつくり得ないこのやわらかさは、他のジンにはない素晴らしさを持っています。意外に思われるかもしれませんが、クリームを使ったカクテルとも相性がいいんです。
佐久間 それは面白い。個人的にクリーム系の甘いカクテルが好きなので興味深いです。
高 橋 それもまた意外ですね(笑)。例えばジンをベースにしたジンアレキサンダーは、普通ロンドンドライジンでつくります。なめらかな口当たりですが、ジンのピリピリとした刺激がどうしても舌に残ってしまうんです。でもカフェジンは本当にまろやか。

ジンがクリームを丸く優しく包み込んでいる感じがするんです。同じカクテルなのにまったく違うんですよ。
佐久間 それはぜひ飲んでみたいですね。
高 橋 確かに山椒は日本のスパイスですが、このフレッシュな香りはどちらかと言うとハーブに近いと考えています。ですからミントリキュールの代わりにカフェジンでつくるグラスホッパーもすごくいいと思いますよ。たとえミスマッチな組み合わせがあったとしても、新たな面白みを発見できますし、カクテルの創造性がさらに豊かになる。カフェジンとは未知なるスピリッツですね。
佐久間 カフェジンの特徴を生かした様々なカクテルを考えていただけることは嬉しいですし、さすがだなと感心してしまいます。普段カクテルをつくる時にどんなことを心がけているんですか。
高 橋 それは“愛”ですね(笑)。カクテルを考えるとき、つくる時、その一杯にどれだけ愛情を注ぎ込めるかを常に心がけていますから。次はカフェジンの誕生秘話についていろいろとお話を聞かせてください。(後編へ続く)

※編集の都合上、本文はすべて敬称略としています。


高橋さんがつくるカフェジンを使ったジントニック、ジンアレキサンダーのメイキング動画は後編でご覧いただけます。


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