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NEW2026.05.8 Fri

『ウッドフォードリザーブ』主催 カクテルコンペティション
「The Wonderful Race 2026」優勝者インタビュー
晩夏の花火の香りをグラスに込める——
夏から秋へ移ろいにフォーカスして
コンセプトと味をつくり込んだ

小島 卓さん(The Ritz-Carlton, Tokyo THE BAR/東京)

[PR]ブラウンフォーマンジャパン株式会社

スーパープレミアムバーボン、『ウッドフォードリザーブ』が主催するカクテルコンペティション「The Wonderful Race 2026」が、2026年3月に開催された。第3回目となる大会のテーマは、「四季を楽しむオールドファッションド カクテル」。『ウッドフォードリザーブ』の特徴である“ひと口ごとに五感がきらめく200以上の味と香り”の魅力を探求し、21歳〜35歳の若手バーテンダーが技術力と創造力を競い合った。

チャンピオンに輝いた小島 卓さん(The Ritz-Carlton, Tokyo THE BAR/東京)に、優勝カクテルのコンセプトづくりや味わいの設計、そしてバーテンダーとしての目標を訊いた。

「オールドファッションド」の軸がぶれないようにテーマを落とし込んでいった

チャンピオンの座を射止めた小島 卓さんが、日々、腕を振るうのは、5つ星ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」45階に位置するラグジュアリーなバーだ。東京の街を一望できる都内屈指の眺望、ピアノの生演奏、そして趣向を凝らしたシグネチャーカクテルで、連日連夜、国内外の客たちを愉しませている。ヘッドバーテンダーや同僚には、カクテルコンペティションで日本最高峰に輝いたバーテンダーが活躍。小島さんは、ハイクオリティなカクテルの追求をする日を送っている。
あらためて、今回のコンペティションを振り返ってもらう。

「The Wonderful Race 2026」で優勝を果たした小島 卓さん。2019年より、「ザ・リッツ・カールトン東京」でバーテンダーのキャリアのスタートを切った。

編集部 『ウッドフォードリザーブ』のカクテルコンペティションは、今年が初出場と聞きました。挑戦された理由を教えてください。

小島  実は去年も出場を検討していたのですが、スケジュール管理の甘さと、ちょっと意思の弱さもあって提出できずにいて、心残りがあったんです。この1年、『ウッドフォードリザーブ』のことを考えるうちに愛着が湧いてきたこともあって、出場を決意しました。

編集部 小島さんは、バーテンダーのキャリアを、ここ「THE BAR」から始められました。一流の現場でスタートを切られたのですね。

小島  プレッシャーはありました。はじめは、自分が価格に見合ったものをつくれるのかという葛藤もありましたが、やっていくしかないと腹をくくりました。当店は、純粋に「おいしいカクテルを提供する」というテーマを追求しています。さらに、プレゼンテーションや素材の組み合わせにサプライズを織り込み、バー初心者の方にもおもしろさを感じていただけるよう工夫をしています。

編集部 今回の大会は、「四季を楽しむオールドファッションド カクテル」がテーマでした。もっとも時間をかけたのはどんな点でしたか。

小島  オールドファッションドというカクテルの軸がぶれないことです。私がバーテンダー駆け出しの頃、本来、私たちのバーではフレッシュなオレンジやレモンなどをお入れするのですが、ちょっと変化をつけたいと思ってガーニッシュにドライオレンジを飾ったことがありました。すると、先輩にぴしゃりと注意されまして。「オールドファッションドは、時間の経過とともに、角砂糖が溶けていったり、柑橘がウイスキーと混ざり合ったりと、風味が変化してゆっくり愉しめるカクテルなんだよ」と教えていただきました。今回も、グラス1杯の中の変化を愉しめるという軸をぶらさずにカクテルを構築していきました。

ファイナルステージで優勝を手にした時の小島さん。2位には、Wang Shengさん(The SG Club/東京)が、3位には濱 真太さん(茶寧庭/石川)が選出された。

夏の終わりから秋にフォーカスして味を設計。『ウッドフォードリザーブ』はどんなレシピにしてもいろんな表情を見せてくれる

編集部 具体的に、「四季を楽しむ」というテーマを、どのようにカクテルに落とし込んだのでしょう。 

小島  日本の四季をもっとも深く感じるのはいつなんだろうと考え、季節の変わり目なのではないかと感じました。とくに、子供の頃の夏休みの終わりから秋の始まりです。夏のお祭り感のような賑やかさから、秋になってくときの漠然とした寂寥感を表現したいと思ったんです。焦点を絞り込んでコンセプトを考え、素材も四季それぞれのものを使うのではなく、夏から秋への移り変わりの世界観を表現できるよう選んでいきました。より具体的なシチュエーションに考えていくと、花火大会の最後の花火が上がった後、急にシーンとなって、秋のもの寂しさが始まると気付きました。

編集部 それで、花火の残り香を思わせる白檀の煙をグラスに閉じ込めたのですね。 

小島  はい。グラスに口を近づけると、白檀の香りに満たされます。そこに、『ウッドフォードリザーブ』との相乗を核にして、秋に向かっていく要素を落とし込むよう自家製素材を3つ用意しました。キンモクセイ ローリエ コーディアルは夏の風が涼しくなってきて徐々に甘い香りを運んでくる様子を、ポルチーニビターズは夕立で土が湿って匂い立つ香りを、仕上げにグラスにたらすアンバーシロップのウッディ感やスパイス感で秋の深まりを表しています。

編集部 もともとのお考えのとおり、飲んでいくうちに変化が感じられるカクテルですね。スムーズにこのレシピにたどり着きましたか。

小島  最初は白ワインで土の香りを表現してみようと考えていたのですが、おいしくなくて(笑)。ワインに詳しいスタッフに聞いてみても、白ワインはあまり土の香りの表現には適してないと。そこでポルチーニビターズにたどり着いたのです。

編集部 あらためて、『ウッドフォードリザーブ』と向き合ってみて、気づいた魅力はどんな点ですか。 

小島  やはり、200以上ものテイスティングノートがあるという多彩なフレーバーで、どんなカクテルをつくるにしても、いろんな表情を見せてくれるウイスキーだと実感しました。捉える人によって感じ方も変わりますし。本当に素晴らしいウイスキーだと思います。

編集部 いろんなウイスキーを扱っていらっしゃるなかでも、『ウッドフォードリザーブ』はどんな立ち位置だと思いますか。

小島  当店は海外のお客様が多く、クラシックなオールドファッションドを頼まれる機会も多いんですね。マンハッタンにしても、『ウッドフォードリザーブ』を使って、と指定してリクエストされる方も少なくありません。親しみやすさや、カクテルにした際にも飲みやすさが際立っている点が、選ばれている理由のように思います。

優勝カクテルの「Transition Fassinoned(トランジション ファッションド)」。白檀の香りの後には、キンモクセイの甘い香りやポルチーニの土っぽさが広がり、飲み進めるほどにウッディな味わいも一体になる。

小島さんの「Transition Fassinoned」メイキング動画はこちらからご覧いただけます。

Transition Fassinoned
〈材料〉
・ウッドフォードリザーブ・ディスティラーズセレクト…35ml
・自家製ポルチーニビターズ(※1)…5ml
・自家製キンモクセイ ローリエ コーディアル(※2)…15ml
・自家製アンバーシロップ(※3)…5ml
・カクテルスモーカー/白檀のチップ
・ガーニッシュ:ローリエ
(※1)ウォッカに乾燥ポルチーニを12時間浸け、コーヒーフィルターを通して濾す。
(※2)ミネラルウォーターに乾燥させたキンモクセイとローリエを入れ、65℃で2時間加熱する。
(※3)小鍋に水、バニラビーンズ、ナツメグ、クローヴ、ブラウンシュガーを加え、火にかけて煮詰める。
〈つくり方〉
ミキシンティンに氷(分量外)、ウッドフォードリザーブ・ディスティラーズセレクト、自家製キンモクセイ ローリエコーディアル、自家製ポルチーニビターズを入れてステアし、グラスに注ぐ。
1に自家製アンバーシロップをたらし、氷(分量外)を入れ、ローリエを飾る。白檀のチップを詰めたカクテルスモーカーをセットし、着火して煙を閉じ込めた後、外して提供する。

バーテンダーは「Tender of the bar」。優勝に恥じないパフォーマンスをして“自分”を表現できるバーテンダーになりたい

編集部 ファイナル進出が決まった時のお気持ちはいかがでしたか。

小島  本当にうれしかったですね。でも、なんでしょう。ちょっと若干ふわふわした気持ちもありました(笑)。ファイナル進出をInstagramなどで投稿させていただいたら、他店のバーテンダーや同僚、お客様方が自分以上にとても喜んでくださったんです。いっそう力が入りました。

「いろんな方からお祝いの言葉をいただいて、やっと優勝の実感が湧いてきました」と語る小島さん。

編集部 優勝を勝ち取られた後はどんな変化がありましたか。

小島  結果が出たばかりの時は実感がなくて。本当に本当なのかな。夢なのかな、なんて思っていました。でも、優勝が決まった瞬間から、たくさんの方からお祝いの言葉をいただいて、徐々に実感が湧いてきたところです。仲間やお客様方が喜んでくださったことがすごく嬉しいですね。師匠である当店のヘッドバーテンダーの和田(健太郎)とは、入社から7年ほど一緒に働いていて、これでちょっと恩返しができたかな、なんて思っています。ほかにも、職場の指導者の方から「よく頑張ったね」というメッセージをいただいて、ぽろっと涙がこぼれることもありました。

編集部 これからは、バーテンダーとしてどう歩んでいきたいと思いますか。

小島  和田の表現でいうと、今はまだ「これで仮免卒業やな」という状況です(笑)。これからも学ぶべきことがたくさんあると感じています。和田には、最初に、「バーテンダーはTender of the bar(バーの真心)だぞ」と教えていただきました。さまざまなお客様に対して、細やかなサービスやホスピタリティを最重要視して、またここに帰って来ていただく、という当バーのモットーを大事にしていきたいです。

編集部 ご自身の心境の変化はどうですか。 

小島  自信になりましたし、優勝させていただいたからにはそれに見合うバーテンダーにならなきゃいけない、という思いもあります。和田の「仮免卒業」の話しかり、これに満足せず、努力して実力をつけて“自分”というものを表現できるバーテンダーになりたいですね。

編集部 6月には、中国で世界大会が開催されますね。

小島  応援してくださっている同僚やバーテンダー、お客様、それに一緒に戦ったファイナリストの方々に恥じないパフォーマンスをしたいと思っています。

小島さんと、上司で師匠である「THE BAR」ヘッドバーテンダーの和田健太郎さん。チームで、日々、ホスピタリティあふれるもてなしをしている。

小島 卓(こじま たく)
1994年生まれ、東京都出身。2018年より、神楽坂のフレンチレストラン「ラリアンス」のバーフロアでウェイターとして働く。接客からの流れでドリンクをつくるバーテンダーに独自性と魅力を感じ、職業としての憧れをもつ。2019年、「ザ・リッツ・カールトン東京」入社、「THE BAR」でバーテンダーとしてのキャリアをスタートする。カクテルコンペティションにも積極的に出場し、ウッドフォードリザーブ主催カクテルコンペティション「The Wonderful Race 2026」で優勝を果たす。

THE BAR(ザ・バー)
港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ザ・リッツ・カールトン東京 45階
Tel:03-6434-8711


ウッドフォードリザーブ特設コンテンツ
https://bar-times.com/woodford-reserve/

世界のトップバーに愛されるウッドフォードリザーブ
世界売上No.1のスーパープレミアムアメリカンウイスキー(IWSR 2023)であり、世界のトップバーテンダーが選ぶカクテルベースウィスキーランキング No.1 に選ばれたウッドフォードリザーブ。オールドファッションドのベースに使われるバーボンとして、高く評価されています。アメリカ・ケンタッキー州最古の蒸溜所の一つであるウッドフォードリザーブ蒸溜所。伝統の製法を守り続けるマスターディスティラーが創り出す、このスーパープレミアムバーボンは、毎年アメリカで開催される「ケンタッキーダービー」の公式バーボンにも認定されています。バーボンでは珍しい伝統的なポットスチルでの3回蒸溜や、自社製オーク樽での熟成など、こだわりの製法から生まれる並外れたなめらかな味わいと「200以上の味と香り」の完璧なバランスが特長です。

ブラウンフォーマン社について
ブラウンフォーマン社は「市場においてこれ以上のものは存在しない」という創業当時からの約束を守り、150年以上にわたってプレミアムなスピリッツブランドを築き上げてきました。当社のプレミアム・ブランド・ポートフォリオには、ジャックダニエル、ウッドフォードリザーブ、グレンドロナック、ベンリアック、グレングラッサ、エラドゥーラ、エルヒマドール、シャンボール、ジンマーレ、ディプロマティコなどがあります。また、ブラウンフォーマンは、世界170カ国以上で事業を展開しています。


インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。

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