
NEW2025.09.30 Tue
サントリーリキュールKANÁDE〈奏〉がカクテルで織りなす味わいのシンフォニーNYのトップバーテンダー 後藤健太さん
「待望の“国産リキュール”の登場」を語る
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KANÁDE〈奏〉は、伝統的な和素材の風味が生き生きと響きあうリキュールブランド。2025年、味わいや香りの表現を広げるためにアルコール度数も最適化。カクテルの魅力を一層引き立てる新たなスタイルへと生まれ変わった。ラインナップは、柚子・抹茶・桜・白桃。“味わいのキー”となる和素材には国産の素材を100%使用し、素材ごとに最適な浸漬や蒸溜技術を駆使する。アメリカ・ニューヨークを舞台に、日本人らしい緻密なカクテルづくりで魅了するトップバーテンダー、後藤健太さんが、繊細な香味を紡ぎ上げる“国産リキュール”の魅力を語る。KANÁDE〈奏〉 桜を使うオリジナルカクテルにも注目だ。

後藤健太さんは、世界最大規模のカクテルの祭典「Tales of The Cocktail Spirited Awards®」で、日本人初となる「American Bartender of the Year(バーテンダー最優秀賞)」を受賞したバーテンダーだ。現在は、ニューヨークで自身のバーを2店舗経営し、第一線を走り続けている。

「僕がバーテンダーの経験を積んだのはニューヨークに移り住んでからのことです。日本での修業経験はありません。アメリカンスタイルのワイワイとした雰囲気のバーで研鑽を積んだけれど、日本人である自分らしいテイストをカクテルに落とし込みたいと考えていました。そこで、アメリカのクラシックカクテルに日本酒や焼酎をはじめ、和の素材を融合させたカクテルを提供するスタイルになっていきました」
桜や柚子といった日本らしいデリケートな味をカクテルに落とし込んでいるうちに、ある時、後藤さんはジガーの目盛りが大雑把すぎると感じるようになった。たとえば、15mlと20mlの間、あるいは20mlと30mlの間のような分量を正確に計量できないのだ。
「何度も試作して最適なレシピにたどり着いても、ジガーだけに頼る計量では無理があると感じました。そこで、15年ほど前から、調理用の計量スプーンをカクテルづくりに使うようになったのです。当時はそこまで厳密に計量するバーは、ほぼありませんでした。でも、小さな数字にまで気を付けると、追求した味に近づけて、お客様の反応やバーの評判が高まるといった結果につながってきたんです」

数字を明確化すること。数字にこだわること。 それは、スタッフのカクテルづくりのゴールの味を統一することにもつながった。
「レシピを共有して、みんながちゃんと覚えても、味のブレが出てしまう。レシピを共有するだけではだめだと気付いたんです。材料を1ml単位まで細かく計量して、氷をミキシンググラスの何分目まで入れて、何回ステアするか。そこまで明確にガイドラインを設定すると目指す味のゴールがわかってくるんです。昔、僕のボスがいつも言っていました。バーテンダーは、自分でクリエイトしたドリンクを好きになりすぎてしまいがちだけど、自分がお客だったら、この金額で同じものを2杯飲むかを考えなければいけないと。だから、最善のバランスを冷静に俯瞰することと、それをいつも同じ様に提供するためにも、数字にこだわるものづくりが大切なのです」
ニューヨークで20年以上、バーテンダーとして活躍する後藤さんが常々感じているのは、現地の人々の日本に対する憧れや好奇心だ。
「いつかは落ち着くだろうと思っていたものの、日本人気はずっと高いまま。いまは『まだ日本に行ったことないの⁉』というぐらいの雰囲気で、アメリカの大都市に住む人たちの間では、来日歴のある人が格段に増えています。日本のバーを知った人たちが飲みたがるカクテルは、やっぱり日本特有の素材を使ったもの。KANÁDE〈奏〉がラインナップする柚子、抹茶、桜、白桃は最たるものです」
後藤さんは、大幅なリニューアルを経たKANÁDE〈奏〉で「正直な味」を表現する。それまで、ニューヨークで手に入れられるリキュールもあるにはあった。けれど、人工的な風味が目立ってしまったり、甘味が強すぎてしまったり。かといって、フレッシュな素材、たとえば柚子を手に入れるにしてもバーで使うには高価で、たとえば柚子ならマーマレードや果汁100%のジュース使わざるを得ない状況だったという。
「和素材の個性を最大限に引き出した繊細な香味でいて、カクテルにしてもきちんと存在感がある。こういったリキュールが登場することを待ち望んでいました。アメリカで桜をテーマにしたカクテルを提供しているバーもありますが、飲んでみるとチェリーリキュールを使ったり、ただピンク色に仕上げているだけだったりで、全然桜じゃない。でも、そもそも桜のフレーバーのリキュールが手に入らなかったので、バーテンダーのせいとも言えません。和素材の風味がきちんと立ったKANÁDE〈奏〉の登場は、日本的なカクテルづくりをぐっと推し進めてくれると思います」
KANÁDE〈奏〉をどう活かすか。後藤さんは、誰もが知るクラシックカクテルの副材料に取り入れることで、新鮮な飲み心地、新しい味わいを生むことができると語る。
「単純な例を挙げると、マルガリータには、テキーラにライムジュース、そしてアルコール度数約40%のオレンジリキュールを入れますね。そこを、同じ40%のKANÁDE〈奏〉の柚子にしてみるだけで、柚子マルガリータが出来上がります。ここからさらに、ライムジュースと柚子リキュールのベストなバランスを探ってみたり、また別の副材料を取り入れてみるなど、味を広げる可能性はいくらでもあります。クラシックカクテルを土台に、いかにジャパンナイズさせるかが、いちばん使いやすいやり方だと思います。僕のような日本人のバーテンダーに限らず、海外のバーテンダーたちは日本的なカクテルを積極的に提供しています。KANÁDE〈奏〉を使うことで、新しいJapanese influenced cocktail (日本の影響を受けたカクテル)が続々誕生しそうです」

- 「桜マティーニ」
- 〈レシピ〉
- ・KANÁDE〈奏〉桜…2tsp (約9.8ml)
・ジャパニーズクラフトウオツカ HAKU〈白〉…2oz (約59ml)
・ジャパニーズクラフトジン ROKU〈六〉…1.5tsp (約7.4ml)
・塩漬けの桜花(※1)…1輪
(※1)熱湯に1時間ほど浸けて塩気を抜いておく。 - 〈つくり方〉
- ①すべての材料をミキシンググラスに入れ、氷のミキシンググラスの8分目まで加えて50回ステアする。
②冷やしたマティーニグラスに注ぎ、桜花を入れる。

後藤健太(ごとう けんた)
1973年生まれ、千葉県出身。ニューヨークの名門バー「Pegu Club」(2020年閉店)にて、ヘッドバーテンダーとして7年在籍する。2011年、世界最大規模のカクテルの祭典「Tales of The Cocktail Spirited Awards®」にて「American Bartender of the Year(バーテンダー最優秀賞)」を受賞。同賞の受賞は日本人では初となる。アメリカのクラシックカクテルに、日本の食材や旨味を融合させた独自のスタイルで人気を得る。ニューヨークのローワー・イースト・サイド地区にオープンした自身のお店「Bar Goto」は、今年で10周年を迎える。2020年1月には、ブルックリンに2号店となる「Bar Goto Niban」をオープンする。2026年秋には、著書「Goto Bartender Guide」が、アメリカで先行出版される予定である。 後藤氏考案のカクテルは、KANÁDE〈奏〉公式サイトでもご紹介しています。インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。