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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2019.07.26 Fri

特集企画「トニックエッセンス ジントニックスタイル」 Vol.2ジン、ライムジュース、ソーダ+1。
材料が増える分、一体化がより必要に。

松葉 道彦(Bar,K)

昨年、大きな話題を呼んだ「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」。バーテンダーのみなさまからの熱いご要望を受け、2019年も「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス プロモーション」が実施されることを記念して、本企画ではトニックエッセンスを監修した5人のバーテンダーに開発当時のお話を伺いながら、スペシャルなジントニックをご紹介いただきます。ご登場いただくのは、Bar,K の松葉道彦さんです。


「誰でもつくりやすく、ボンベイ・サファイアの味が生かされ、バランスのいいジントニック」、これがトニックエッセンスの開発メンバーが目指したジントニックの方向性だ。しかし、普段自身がつくるジントニックの味わいは、アルコール感があり濃厚。目指した方向性とはだいぶ違うと松葉さんは言う。目指した味わいを実現するために、どのような工夫が凝らされているのか、松葉さんが辿り着いたスペシャルジントニックのポイントを聞いた。(撮影場所/Bar,K)



松葉さんの『ジントニック』メイキング動画をBAR TIMESチャンネルでご覧いただけます。



通常のレシピ+1。材料が増えるからこそ
氷の形状を変え、しっかりと混ぜ合わせる。

ジントニックのレシピは、通常ジン、ライムジュース、トニックウォーターの3つですが、トニックエッセンスが入る分、材料がひとつ多いんです。特にトニックエッセンスは糖分が高いですから、すべての材料を一度しっかりと混ぜ合わせることが必要です。いつもはジントニックに氷柱を使っていますが、グラスの中でよく混ぜやすいようクラックドアイスに変えるなどつくり方も見直しました。

まずはグラスの中で味わいのベースをつくる。
1/3の炭酸を混ぜ、あえてガスを抜く。

炭酸は2回に分けて注いでいます。関西では『能勢ソーダ』というガス圧の高い炭酸が人気で、味わいもクリアなことから、ボンベイ・サファイアととても相性が良いんです。ただ、ガス圧が高い分、抜けやすい。この生き生きとした炭酸を生かすため、30mlを先に注いで他の材料と混ぜ、あえてガスを抜いてしまいます。ベースとなる味をまずグラスの中でつくって、それからフレッシュな炭酸で伸ばす、そんなイメージです。


炭酸は2度に分けて注ぐ。最初に入れるのは30ml。材料を混ぜるためよくステアしあえて炭酸を抜く。


ライムを絞ったらそれは普通のトニックウォーターと同じ。
スライスで生かすキニーネの苦味。

皮の油分が入らないよう、ライムはスライスしたものを使います。それもできるだけ薄くスライスしたものがいいですね。せっかくトニックエッセンスの持つキニーネの苦味があるのだから、柑橘の苦味はそれほど出ない方がいいと思っています。例えば、ライムをぎゅっと搾ってしまったら、それはもう普通のトニックウォーターと同じになってしまいます。トニックエッセンスの特質を生かそうと思ったら、薄いライムスライスだけで十分なんです。

松葉さんのつくるトニックエッセンスを使った
ジントニックの味わいとは。

通常、当店のジントニックはもっと濃厚なのでだいぶ違います(笑)。こっちの方が爽やかですね。お客様から「ボンベイ・サファイアで」って、ベースのジンを指定されたら必ずこのレシピとつくり方でご提供しています。その方がボンベイ・サファイアには一番合っているし、そのつもりで開発しましたから。これは私の主観かもしれませんが、大阪では昔からジントニックよりもジンソニックの方が人気なんです。酸味が効いていて、甘味の少ない方が。ボンベイ・サファイアのジントニックは、炭酸とトニックをちょうど半分ずつにした、どちらかというとソニック寄りの爽やかな味わいなので、特に大阪の人には喜ばれるんじゃないでしょうか。


薄いライムスライスを最後に入れる。決して絞らない。

RECIPE


◎ボンベイ・サファイア      30ml
◎トニックエッセンス       10ml
◎ライムジュース           5ml
◎ソーダ              90ml
◎ライムスライス          1枚


2018年に誕生したトニックエッセンスについて、どんなプロジェクトだったのか、また松葉さんがどのようなポイントにこだわって開発を進めたのか、改めて聞いた。

材料次第でジンの味わいを生かせる、
改めてジントニックの奥深さを実感。

開発メンバー全員が目指したのは、言うまでもなく、いかにボンベイ・サファイアと相性の良いトニックエッセンスをつくるか、という点です。まずはどんな味わいのトニックエッセンスがいいのか、いくつかあるサンプルの中から一つずつ試して各自点数を付けていきました。これは合う、合わないっていう感じに。様々な意見が飛び交いましたが、結局みんなが良いと感じたサンプルは共通して点数が高かったですね。それがクベブベリーだったんです。私がバーテンダーの道に入った当時は、今ほどジンもトニックウォーターも種類がなかったので、材料次第でジンの味わいをここまで生かせるのだと、ジントニックの奥深さを改めて勉強できました。

ミリ単位の差まで突き詰める、
強烈な量のトライ&エラー。

トニックエッセンスの味わいの次は、各材料の分量を決める必要があります。私の場合、果汁や果肉を使った濃厚なジントニックの方が好きですが、好みや傾向はバーテンダーによって違います。ですから、自分ならこれらの材料を使ってどうつくるか、開発メンバー5人それぞれがプレゼンテーションを行って、それをみんなでテイスティングしました。結果、突出した個性よりはトータル的なバランスを重視し、繊細で綺麗な味わいの方がボンベイ・サファイアには合うのではないか、と意見がまとまりました。そこまで辿り着くには、ジンに対してのライムジュースやトニックエッセンス、炭酸の量をミリ単位まで追究する、今思うと強烈な量のトライ&エラーでしたね(笑)。トニックエッセンスという商品を一から開発し、誰もがつくりやすく、ボンベイ・サファイアの味が生かされるレシピを考案するといのは、なかなかできる経験ではありません。貴重な体験ができたことに感謝しています。



松葉 道彦(まつば・みちひこ)プロフィール
一般社団法人日本バーテンダー協会関西統括本部理事。「Bar. K」(大阪・梅田)オーナーバーテンダー。

「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」とは
ボンベイ・サファイア トニックエッセンスは、5人のレジェンドバーテンダー監修のもとに開発された、ボンベイ・サファイアのための本格的なトニックエッセンスです。
トニックエッセンスとは、トニックウォーターの原液です。すでに完成されたトニックウォーターとは異なり、混ぜる炭酸水の水質、硬度、ガス圧、分量などによって味わいが変化します。トニックエッセンスを使うことによってカクテルの幅が広がり、つくり手であるバーテンダーのこだわりと調合技術をカクテルに色濃く反映させることが出来ます。




取材撮影/ BAR TIMES
取材協力 / バカルディ ジャパン株式会社

   

BAR TIMES INFORMATION

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