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NEW1500.08.15 Wed

iichiko彩天×カンパリの革新的コラボレーション『麹ネグローニ』特集日本の麹文化とイタリアの美学が融合した『麹ネグローニ』が生む新しいカクテル文化

iichiko彩天 × CAMPARI

CAMPARI GROUP ブランドアンバサダー・小川尚人さん(左)、三和酒類株式会社 グローバルマーケティング室室長・宮﨑哲郎さん(中央)、バーライター、PRコンサルタント・児島麻理子さん(右)/撮影場所:CAMPARI JAPAN

イタリアの伝統を受け注ぐ「カンパリ」と、世界のカクテルシーンに向けて誕生した本格麦焼酎「iichiko彩天」。世界中のバーがネグローニを通じてつながるイベント「ネグローニウィーク」(2025年は9月22日~28日開催)に向けて、東西のスピリッツがコラボレーションする革新的な『麹ネグローニ』が誕生した。日本の伝統的な麹文化のスピリッツ「iichiko彩天」は、クラシックカクテルの代表格のネグローニに、どんな表情をもたらすのか。児島麻理子さんをファシリテーターに、それぞれのブランドを代表するふたりに話を訊いた。

個性際立つ東西のスピリッツが交わる

児島 世界に食前酒の文化を広めてきた「カンパリ」と、日本の誰もが知る食中酒「いいちこ」のコラボレーションは、まさに西と東の雄が交わる記念すべき機会。この時を楽しみにしていました!クラシックカクテルの代表ともいえるネグローニは、本来カンパリ、ジン、ベルモットでつくるものですが、「iichiko彩天」と「カンパリ」でつくる『麹ネグローニ』は新しいファンを生む突破口になりそうです。まずは、おふたりに、それぞれのブランドのご紹介していただきたいと思います。 

宮﨑 「iichiko彩天」は、日本生まれ海外育ちの逆輸入版本格麦焼酎です。これまで居酒屋で親しまれてきた「本格焼酎」「いいちこ」を世界のスピリッツと同じ土俵で戦わせたい、という思いで、アメリカのトップバーテンダーたちと共同開発して誕生させました。通常本格焼酎のアルコール度数は25%がスタンダードなところを43%に設定。日本伝統の麹由来のうまみを最大限に引き出していて、カクテルのベースにしても負けない個性を愉しめる造りです。2019年にアメリカで先行発売し、2025年6月に日本で発売となりました。

小川 「カンパリ」は1860年にイタリアで誕生し、全世界に広まっていったハーブ系リキュールです。レシピは明かされてなく、その味わいは唯一無二。古いカクテルブックのレシピにも、ハーブリキュールといった総称ではなく「カンパリ」の名で明記されているほどです。「カンパリ」を使ったカクテルが世界各地でどんどん生まれているなかでも、不動の地位にいるのがネグローニです。「カンパリを使わなければネグローニの味は出せない」と、世界中のバーテンダーに愛用していただいています。

児島 「カンパリ」にとって、ネグローニはどんな存在のカクテルですか?

小川 弊社の言葉で「NO NEGRONI WITHOUT CAMPARI(カンパリなくしてネグローニは語れない)」いう言葉があります。世界で最も売れているクラシックカクテルを表す「The World’s Best Selling Classic Cocktails」で、4年連続1位に輝くなど長きにわたり世界中で愛され続けているカクテルであり、同時にカンパリを象徴するシグネチャーカクテルでもあると捉えています。

児島 今回のコラボレーションはどんなきっかけで始まったのでしょうか?

宮﨑 私たちは、世界中のバーテンダーに向けて焼酎を広げるためのグローバルアクティベーションという活動をしています。その一番最初の取り組みであった、2023年シンガポールで開催された「Asia’s 50 Best Bars」でのiichikoのイベントに、小川さんが来てくださったのがきっかけでした。

小川 「iichiko彩天」の存在は知っていたものの、それまでちゃんと飲んだことがなくて。初めて味わってみて「すごいな」と。ほかのスピリッツにない個性を感じると同時に、可能性を感じました。そこで、日々、多彩な種類が生まれているネグローニに一緒に取り組めたら、と話が進んでいきました。

児島 「iichiko彩天」の可能性を感じたのはどんな点に、でしょうか?

小川 「カンパリ」同様、他に代わるものがない味わいだと感じました。完成度が高く、ストレートですでにカクテルのよう。造りはもとより、ストーリーにも名前にも日本らしさが詰まっています。一方「カンパリ」は、イタリアの気質をそのまま飲んでいるようなお酒です。その二つが掛け合わさったら、さらに大きな広がりが生まれるのではないかと直感しました。

児島 宮﨑さんにとって「カンパリ」はどんな存在でしたか?

宮﨑 スピリッツ業界の巨人ですね。アメリカでの活動を通して、ネグローニウィークの壮大さを感じていました。イベントを目の当たりにして、165年もの歴史あるお酒の存在の大きさを知ったんですね。今回、憧れのキャンペーンでコラボレーションすることになって感無量です。

「iichiko彩天」と「カンパリ」の融合で生まれる味わいとは

児島 ネグローニウィークで展開するコラボレーションの公式カクテルとして、「iichiko彩天」と「カンパリ」を使う『麹ネグローニ』が発表されていますね。

小川 基本のレシピは、「iichiko彩天」30ml、⁠「カンパリ」25ml、⁠チンザノベルモットロッソ25mlを合わせたものです。

児島 そこからさらに、さまざまなコラボレーションを重ねながら、バーテンダーそれぞれの個性が立った『麹ネグローニ』を展開していくというわけですね。「iichiko彩天」と「カンパリ」が合わさると、どんな味わいになるのでしょうか?

宮﨑 「iichiko彩天」の特徴である麹由来のうまみを感じられ、通常のネグローニと比べて後味が格段にまろやかになって、味わいが伸びる印象です。

小川 酒精は強いものの、ジンをベースにした時よりも口に含んだ時に味覚に馴染む印象です。ボリューム感を生みながらもすっきり味わえて、「やっぱり自分は日本人なんだな」と感じさせる説得力のある味わいになるんです。


児島 ここで、小川さんの『麹ネグローニ』のツイストカクテルを味わわせてもらいましょう。

児島 美しいですね。

宮﨑 フローラルな香りが立ち上ります。

小川 ランブルスコの酸味が合わさった香りですね。ネグローニは酸味を加えた方が飲みやすくなると感じています。赤ワインでなくランブルスコを使ったのは、微発泡なので口の中で混ざって弾ける分、香りが鼻腔に上ってくることを考えました。


児島 お二人がおっしゃっていた通り、後味がまろやかです。このカクテルのコンセプトを教えていただけますか。

小川 カクテル名は「The Beyond」。Beyond には『〜を超えて』『〜の向こうに』という意味があります。日本のバーとスピリッツ業界へ壁を越えて進出する「iichiko彩天」と「カンパリ」が手を組み、ネグローニの次なる壁を超えてその先を目指す、そんな意味を込めています。カクテルの色は、まさに天を彩るように味わうごとに変化していきます。味わいもほのかな酸味から飲んでいくごとに変化し、口の中を彩ります。紫蘇という和のフレーバーを加えて、和と洋の要素を融合させました。

宮﨑 まさに本格焼酎が「和酒と洋酒の垣根を超える」ことを目指している私たちの考えとぴったりの一杯だと思います。

小川 面白いのは、この二つのスピリッツが合わさると、格段にボリューム感が増して、味が伸びやかになるんですね。桃と紫蘇のフレーバーもそこに後押しされて、圧倒的に存在感が増します。

児島 今回は紫蘇がアクセントになっていますが、ほかにはどんな素材が相性がよさそうですか?

小川 シトラス系はもちろん、イチジクのようなちょっともったりした味わいのものでも合わせやすいのかなと思っています。ジューシーなメロンを合わせても、すごく伸びやかな味わいになりそうです。

『麹ネグローニ』から広がるカクテルの未来 

児島 『麹ネグローニ』をどんなシーンで飲んでほしいというイメージはありますか?

小川 アペリティーボですね。日本には食前酒を愉しむ文化がまだ定着していませんが、海外では当たり前に定着しているものです。そこにこの新しいネグローニが入って、定番化してくれたら面白いなと感じています。焼酎というカテゴリーで見れば、日本人には食中酒としてなじみ深いものですから、食中にも向くネグローニとして愉しんでいただくのもいいですね。

宮﨑 すべての方にさまざまなシーンで味わっていただきたい、と願っています。まずは、日本のバーテンダーに、自分の国のスピリッツでつくったカクテルとして飲んでいただきたいですね。もし、日本でもっとネグローニを飲む人が増えたら、飲み手であるお客様にとってカクテルを選ぶ幅も広がると思うんです。日本では飲みやすいカクテルが注文されやすい傾向がありますが、もっとこう、複雑な、苦味をもったカクテルが浸透していくことで、別の愉しみ方にも気づいてもらえるんじゃないかと。

児島 たしかにそうですね。ネグローニは、味わいが成熟した味覚向けというか、飲み慣れた人に好まれる印象です。でも『麹ネグローニ』は、その入り口になってくれる親しみやすさみさがありますね。

小川 日本人にとって苦味を求めるのは、飲むものではなく、食べるものに多いのかもしれません。でも、イタリア人からすると、日本人でいうところの旨味に近い捉え方をしているんです。その点、『麹ネグローニ』は一杯のなかに旨味と苦味が全部合わさっている。だからこそ、新しい飲み手にフィットする可能性も秘めています。ここ10数年で、アマーロをはじめ、苦味のあるお酒が日本人の舌になじんできているように感じます。その点でも、新しい広がりを感じさせる組み合わせだと思っています。

児島 いいですね。日本人にとってはカクテルの新しいおいしさに気づくきっかけになりそうですし、海外の人にとっては麹のスピリッツという新しい発見につながりそうです。最後に、このコラボレーションを通じてどんな展開を期待してますか。

宮﨑 ネグローニを通して、世界中の人たちが本格焼酎というスピリッツを知るきっかけになってくれたら、と思い描いています。私にとってはワクワクする取り組みです。

小川 海外では、ネグローニはエントリーからプロフェッショナルまで、幅広く味わえるカクテルです。これを機に、日本の一般の方にも、より広く認知されたら嬉しいですね。

児島 いま、バー業界ではどこの国でもローカルのスピリッツを使うことが流行っています。日本人バーテンダーにとっては焼酎を使えることが強い武器になると感じているものの、まだ焼酎のシグネチャーカクテル的なものが存在していません。この『麹ネグローニ』がそのひとつになったら、と期待しています。

小川尚人さんがつくる『麹ネグローニ』のツイストカクテル

「The Beyond(ザ ビヨンド)」

〈レシピ〉
・カンパリ…20ml
・iichiko彩天…20ml
・ピーチ&紫蘇 ベルモット(※1)…25ml
・ランブルスコ…20ml
(ガーニッシュ)
・穂紫蘇…1本
(※)ピーチリキュール7.5割、紫蘇リキュール1割、ベルモット1.5割の割合でブレンドする。
〈つくり方〉
①ロックグラスに氷を入れる。ミキシンググラスに氷、カンパリ、iichiko彩天、ピーチ&紫蘇 ベルモットを入れ、ステアし、グラスに注ぐ。
②ランブルスコを注いでフロートし、穂紫蘇を飾る。

■プロフィール■

児島麻理子(こじままりこ) バーライター、PRコンサルタント。11年に渡る洋酒メーカーでの広報を経て、2019年に独立。日本酒・焼酎の国内外発信事業にも携わり、お酒の楽しさを日々発信している。趣味は世界の蒸留所を巡ること。これまでに7か国以上の蒸留所とバーを巡る。著書に『おうちでつくれる かんたんスパイスカクテル』(PIE International)。Hanako.tokyoにて「今日はあの街で、ひとり呑み」を連載中。

小川尚人(おがわなおと) CAMPARI GROUPブランドアンバサダー (CAMPARI JAPAN)。ニュージーランドやオーストラリアへの留学経験後、神戸の老舗店「Bar Elixir de Longue Vie」でバーテンダーとしての修行を積む。様々なカクテルコンペティションでの受賞歴をはじめ、「CAMPARI Cocktail Competition Asia 2018」では日本チャンピオンとなり、ミラノで開催されたアジア大会へ出場。国内外のバーでゲストバーテンディングもこなす。”伝説のバーテンダー”として有名なチャールズ・シューマン氏の「シューマンズ バー」(ドイツ・ミュンヘン)や世界最高のバーアワードTHE WORLD’S 50 BEST BARSにも選ばれた「DRINK KONG」(イタリア・ローマ)にゲストバーテンダーとして招待され、小川氏が生み出す繊細ながらもバランスのとれたカクテルの味わいが海外でも高く評価された。

宮﨑哲郎(みやざきてつろう) 三和酒類株式会社 営業本部グローバルマーケティング室室長。宮崎大学農学部応用生物科学科卒業。学生時代にはバーテンダーのアルバイト経験をもつ。2004年、三和酒類入社。製造部、営業部を経て、2014年にアメリカ子会社として設立されたiichiko USAの初代駐在員として出向。アメリカ国内では「iichiko彩天」や「いいちこシルエット」などを取り扱うバーを約500店舗にまで広げる。2023年より大分県の本社勤務に戻り、「iichiko彩天」をさらに広げる活動を行っている。


文 沼由美子
 ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。

■ カンパリについて


カンパリが誕生したのは1860年。創業者のガスパーレ・カンパリ氏は、創業間もない1867年にミラノのドゥオモ広場の一角に「カフェ・カンパリ」を出店。発売当初から、そのほのかに甘く、心地よい苦みをたたえたリキュールはミラノっ子たちの間で大流行。やがてカンパリはミラノをはじめイタリア各地でその名を馳せるようになりました。 カンパリは、その鮮やかな赤色、オレンジやハーブの洗練された複雑なアロマ、そして独特のほろ苦い味わいが唯一無二の存在として、多くの人々を魅了してきました。創業から160年以上経った現在でも、その秘蔵のレシピは変わることなく受け継がれており、濃厚なアロマとビターテイストは、パーフェクトなベースとして、今では世界中で数々のカクテルに使用されています。

CAMPARI(カンパリ)ソーシャルメディア
Instagram:https://www.instagram.com/camparijapan/
Facebook:https://www.facebook.com/CampariJapan
X:https://www.twitter.com/campari_japan

■ iichiko彩天について


日本を代表する本格焼酎ブランド「iichiko」が、米国トップバーテンダーと共同開発した「iichiko彩天」。焼酎の常識を覆す、プロユース仕様・アルコール度数43%の麦焼酎です。日本伝統の「麹」由来のうまみを最大限に活かし、力強く重厚な味わいを実現。2025年6月17日(火)より日本市場に向けて発売されました。

iichiko彩天商品情報はこちら
Webサイト:https://www.wa-spirits.com/ja
Instagram:https://www.instagram.com/wa__spirits
YouTube:https://m.youtube.com/@WA-SPIRITS.Official

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