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2023.12.7 Thu

ダニエレ・カンチェッラーラによるマスタークラスを開催キャンティ・クラシコ地区の最初にして唯⼀のディスティラリー、ワインスティラリーが贈るトスカーナの刻印

LIQUORERIA(リクオレリア)

2023年11⽉26⽇、Bar B&F(東京・新宿)において、イタリア・フィレンツェのバー「ラスプーチン」のバーマネージャー、ダニエレ・カンチェッラーラが、トスカーナワインの由緒ある産地キャンティ・クラシコ地区で最初にして唯⼀の蒸溜所「ワインスティラリー」のスピリッツ&リキュールを使ったオリジナルレシピを披露しました。今回初上陸のドライ・ヴェルモットとビターも合わせてご紹介、エノトリア(ワインの地)トスカーナらしさを込めた製品について解説をいたしました。

ご紹介したスピリッツ&リキュール
・ロンドン ドライ ジン
・オールド トム ジン
・トスカンヴェルモット
・トスカンドライヴェルモット(初上陸)
・トスカンビター(初上陸)

ご紹介したカクテル
・Chainti Spumoni キャンティ・スプモーニ
・Tuscan Serenade トスカーナのセレナーデ
・Italian Haiku イタリアの俳句
・Lost in Translation ロスト・イン・トランスレーション

ダニエレ・カンチェッラーラのコメント

イタリアにおけるアペリティーヴォの習慣を⽇本の⽅々にも楽しんでもらいたいと思い、⾷前にふさわしいカクテルをご紹介しました。イタリアでは、18世紀の終わり頃、働き⽅が変わり、農業ではなく⼯場で働く⼈が増え、決まった時間に仕事が終わるようになって、仕事終わりに⼀杯、という習慣が⽣まれました。当時は、安いワインが庶⺠のアペリティーヴォの定番、ブルジョワ階級や富裕層はより⾼級な⼿の込んだお酒といった具合に違いはありましたが、どんな階級の⼈でもとにかくアペリティーヴォを楽しんだのです。アペリティーヴォの場所といえば、当時はカフェ。18世紀にヴェネツィアのカフェ・フローリアンなど幾つもカフェが⽣まれ、そこはコーヒーを飲むだけでなく、アペリティーヴォを楽しむための場所として発展しました。トリノにはムラッサーノ、フィレンツェにはカフェ・ジッリといったカフェが⼈気のアペリティーヴォのスポットでした。それらのカフェはお洒落で⾼級。もっと庶⺠的なオステリアで安いワインを楽しむ⼈々も少なくありませんでした。アペリティーヴォ向けとして誕⽣したのが、ヴェルモットです。さらにカンバリなどのビターも。トリノ(ピエモンテ)、ヴェネト、そしてトスカーナなどワインの産地でアペリティーヴォのためのお酒が次々と作られました。ちなみにグラッパもイタリアの酒ですがが、⾷前ではなく⾷後酒として飲むものです。しかし今ではグラッパを使ったカクテルもアペリティーヴォに提供されるようになり、イタリアのミクソロジー界ではイタリアのスピリッツとリキュールを使ってアイデンティティを表現することが重視されています。

●ダニエレ・カンチェッラーラ Daniele Cancellara
「ラスプーチン」(フィレンツェ)バー・マネージャー。Whisky for Breakfast に執筆及び出演。
https://www.whiskyforbreakfast.it/
https://www.instagram.com/daniele.cancellara?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D

●ワインスティラリー Winestillery
Grape to Glass をマニフェストに掲げるディスティラリー。キャンティ・クラシコという⼟地の伝統と、未だ明らかにされていない魅⼒を融合させ、画期的なクリエイションを⽬指している。責任者を務めるのは、マスター・ディスティラーのエンリコ・キオッチョリ・アルタドンナ。アメリカを旅した時にウイスキー蒸溜の⾯⽩さに魅了され、ガイオーレ・イン・キャンティでワイナリーを営む⽗親を説得してワインスティラリーを⽴ち上げた。ワインスティラリーのこだわりと特徴は、
①全ての製品はChioccioli Altadonna Family Estate でカスタムメイドのポットスチルを⽤いて蒸留され、ボトリングされる。
②ベーススピリッツは原則として葡萄、またはワインを使⽤する。葡萄あるいはワインを使⽤しない場合、全ての製造⼯程においてワインを中⼼とするワイン製造⼯程に則る。
③ボタニカルは全てトスカーナで伝統的に⽤いられているものを使⽤。
④⼈⼯⾹料、添加物は使わず、製造後の純化も⾏わない。⾃然の⾊、⾃然の⾹りだけを⼤切にする。
⑤全ての製品は、その素材の特性を保全するために、冷蔵はしない。
お問い合わせ:https//liquoreria.com

Recipes by Daniele Cancel lara for the master class Winst i l lery in Japan

【CHIANTI SPUMONI (キャンティ・スプモーニ)】
・ ワインスティラリー トスカン・ビター
・ グレープフルーツジュース
・ セージのシロップ
・ ナルディーニ アックア・ディ・チェードロ
・ プロセッコ
・ ジンジャー・エッセンス

スプモーニは、イタリアのカクテルに⾒えて実はそうではない。カンパリが⽇本に⼊ってきた1970年代当時、ビターは⽇本⼈の好みでなかった。ゆえにカンパリを売るために⽇本で考え出されたカクテルである。このスプモーニをワインスティラリーのトスカンビターを使って、アペリティーヴォに最適なカクテルに仕⽴てる。

【TUSCAN SERENADE (トスカーナのセレナーデ)】
・ワインスティラリー ロンドン ドライ ジン
・ワインスティラリー トスカン・ドライ・ヴェルモット
・ ローズマリーとサフランのシロップ
・ワインスティラリー トスカン・ビターの泡

ネグローニをベースにしたカクテル。構成要素を分解し、表⾯にトスカンビターのスプーマをのせ、本体はロンドンドライジン、トスカンドライヴェルモット。これもアペリティーヴォにおすすめだが、アルコール度数は⾼く、誰でも気軽にというタイプではない。ストロングな味わいを求める⼈に。

【ITALIAN HAIKU (イタリアの俳句)】
・ ワインスティラリー ロンドン ドライ ジン
・マンダリンとカルダモンのコーディアル
・アニスリキュール
・オリーブオイル

ギムレットから派⽣させた、アペリティーヴォにも⾷後のディジェスティーヴォにも良いカクテル。ライムのコーディアルの代わりに、マンダリンとカルダモンのコーディアルを使う。マンダリンはイタリアでお馴染みの柑橘で、このカクテルにイタリアらしさを添えている。最後にアニスリキュールをほんの少し、そしてEVO も表⾯にうっすらと垂らした。最初のひとすすりでEVO 由来のかすかな塩味とピリッとした⾟さを感じることができる。

【LOST IN TRASLATION (ロスト・イン・トランスレーション)】
・ワインスティラリー オールド トム ジン
・ ワインスティラリー トスカン・ヴェルモット
・ フェルネット・ブランカ
・ 洋梨と栗のコーディアル
・ホワイト・ペッパー・エッセンス

オールドトムジンを使った、オールドファッションのアレンジ。苦味はトスカンヴェルモットとフェルネット、そして⽩胡椒の⾹りを最後にひと吹き。これはウイスキーを好む⼈におすすめしたいカクテル。ロンドンドライより⽢みのあるオールドトムジンは、リコリスの⾵味がしっかり残っている上、短期間だが⾚ワインの樽で熟成させているので、ウイスキーの代わりとして応⽤が効く。

   

BAR TIMES INFORMATION

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