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NEW2020.12.1 Tue

ウッドフォードリザーブ パーフェクト オールドファッションドクラシックバーテンダーの巨匠
伊藤 学のオールドファッションド

オールドファッションド ウィーク記念企画


2015年にパリで始まったオールドファッションド ウィークは、スピリッツ愛好家のお気に入りのカクテルとバーテンダーの創造性を際立たせるフェスティバルとして、瞬く間に世界的なイベントとなりました。その世界のバーテンダーの多くが、オールドファッションドのベースとしてチョイスするのがウッドフォードリザーブ。今回は、日本でも極めて創造性の高いバーテンダーのひとり、Mixology Heritageの伊藤 学 氏に登場いただき、ウッドフォードリザーブでつくるオールドファッションドの世界を披露いただきました。(撮影場所/Mixology Heritage)



東京の新名所に誕生のクラシック&ビンテージカクテルバー

2020年9月、有楽町駅から新橋駅の高架橋下に完成した新商業施設の日比谷OKUROJI。この一角に、クラシックバーテンダーの巨匠、伊藤学氏がカウンターに立つ「Mixology Heritage(ミクソロジー ヘリテージ)」がオープンしました。Heritageの店名通り、ビンテージボトルの味わいを豊富な知識とブレンド技術でよみがえらせ、クラシックカクテルとして提供しています。その伊藤氏がつくるウッドフォードリザーブのオールドファッションドは、どのような考えから生み出されるのでしょうか。


Mixology Heritage

伊藤 学 氏が創造するオリジナルオールドファッションド

果汁は入れない。これが海外式オールドファッションド

飲み手が柑橘や角砂糖を潰して自分好みの味わいに調整するというのが日本式のオールドファッションドですが、海外では果汁は入れません。その代わり、数種類のシロップやビターズを巧みに使い、しっかり甘くてしっかり苦い味わいに仕上げます。海外の人は本当にオールドファッションドが好きで、好みの味わいに強いこだわりを持っているので注文も細かいんですよ。ああしてくれ、こうしてくれって(笑)。ですので、私自身も多くを勉強させてもらいました。今回は海外式に柑橘を入れず、バナナのフレーバーに重きを置いた『グリルバナナ ファッションド』をおつくりします。バーボンには元々バナナの香りがありますから、相性は良いはずですよ。

オールドファッションドとは”香りの飲み物“

キーとなるのはバナナシロップです。グラニュー糖をのせたバナナを焼いてキャラメリゼにし、市販のバナナシロップに2日間漬け込みます。ただのバナナシロップだけでは甘さが強いですし、フレッシュなバナナで一からシロップをつくっても香りが出ない。面白いもので人間は、香料があって初めてバナナと認識するみたいなんです。

複数使うビターズの中心となるのは、バニラとチョコレートです。バーボンはチャーといって樽の内側を焦がしますが、それがバニラに似た香り成分を生み出します。また、チョコレートはバナナにも、バニラにも相性がいいのでこのオールドファッションドには欠かせないアクセントです。オールドファッションドは香りの飲み物ですから、この『グリルバナナ ファッションド』は、すべてバーボンに由来した香りの構成で組み立てています。



氷が溶けて加水されることでより飲みやすくなるという『グリルバナナ ファッションド』。氷は溶けやすいように上は四角く、下は溶けにくいよう丸く切られている。上から徐々に氷が溶けグラス全体に加水されていくことを計算した形状だという。


今や日本では忘れられた「炭酸」によるアロマの相乗効果

つくり方の特徴としては、砂糖とビターズで甘さと苦さでバランスを取る点にあります。甘過ぎてもだめだし、苦過ぎてもだめ。甘さと苦さがぴったり合った時に、初めてアロマが全部出てくれるんです。もうひとつは、炭酸で材料を溶かすこと。今や日本では忘れられている手法ですが、炭酸で溶かせば当然香りが出てくるし、クエン酸がビターズの甘さを抑えてもくれ、ブラウンシュガーのコクも出ます。そこにバーボンをくわえてさらに混ぜ、一体化させたところに氷を入れます。炭酸で加水をしているからこそ、なめらかで飲みやすくなるんです。加水することでさらにアロマが伸びる、ハーフロックの考えですね。

仕上げは、グラスのフチにレモンピールとオレンジピールで柑橘を香らせます。バナナ、バニラ、チョコレート、レモン、オレンジ…。アロマとともに甘さと苦味が何層にも重なって感じられるのは、ベースがウッドフォードリザーブだからなんです。このバーボンの持つしなやかでキレイなボディがあるからこそ、アロマが崩れずしっかりと耐えられるんです。これが普通のバーボンだったらこうはいきません。ウッドフォードリザーブのふわっとした甘みとアロマが相まって、氷が溶けるごとに香りも甘味も、苦味ももっと伸びていきます。最後はきゅーっと飲みたくなりますよ。


オールドファッションド好きの海外旅行者から教えられたのは、高いところから一気に振りおろすビターズの加え方。一見、大雑把な動きに見えるが、こうすることでビターズの容量が一定になるのだとか。「一発で決めるのが流儀みたいなものなんでしょうね」と伊藤氏。


伊藤 学 氏が提案する自宅で楽しむオールドファッションド


苦味と渋味。3つの素材でつくりだす自然のビターズ

私が提案するのは、グラスの中でビターズを完成させる『アールグレイ ファッションド』です。材料は、ウッドフォードリザーブとアールグレイ、ブラウンシュガーにオレンジピール。先ほどもお話しした通り、バーボンは樽の内側を焦がします。その焦がした苦味、お茶の渋味、オレンジピールの苦味、この3つをグラスに入れることで自然とビターズがつくれられるという考えです。

ブラウンシュガーを丸ごと1つ使うので一見甘過ぎるように思うかもしれませが、苦味と渋味ですっきりとした甘さに抑えられます。また、製氷機の氷を使った方が溶けやすいので、かえって素材の香りがふわっと出て飲みやすくなるんです。普通のカクテルなら、オレンジの皮から必要以上に苦味が出てしまうので、氷が溶けるのは嫌なものですが、これはオールドファッションドですから苦味が出ていいんです。

こんな風に、自宅で味わうなら細かいことをあまり気にせず楽しんでほしいですね。ただ一つ、ブラウンシュガーを潰すことがオールド・ファッションドらしさなので、そこは面倒でも省いてほしくないですね。せっかくのウッドフォードリザーブですから、ほんのひと手間をかけて贅沢なオールドファッションドをぜひ味わってみてください。


伊藤氏が自宅用に提案する『アールグレイ ファッションド』。多めのブラウンシュガーにより苦味が出てもバランスがとれるのだとか。


プロフィール

伊藤 学(いとう まなぶ)

1969年生まれ。1989年、新宿『カクテルバー・ギブソン』(現在は閉店)に入店。在籍時より、伝説的バー『いないいないばぁー』の藤田佳朗氏に師事。1993年、漫画『BARレモン・ハート』の著者古谷三敏氏が経営する『BARレモンハート』に移り、以後16年にわたり同店に勤務。2010年より2017年夏まで、六本木のバー『Ne Plus Ultra』にてマスターバーテンダーを務める。現在はスピリッツ&シェアリング株式会社におけるクラシックカクテル部門統括兼マスターバーテンダーとしてスタッフへ技術指導をしつつ、現場でカクテルをふるっている。


[レシピ]
・ウッドフォードリザーブ 45ml
・ブラウンシュガー 1かけ(小さめ)
・自家製バナナシロップ 5ml
・チョコレートビターズ 3dash
・バニラビターズ 2dash
・アンゴスチュラビターズ 1dash
・オレンジビターズ 1dash
・炭酸 20ml
・レモンピール
・オレンジピール

[つくり方]
グラスにブラウンシュガーを入れ、ビターズとシロップを入れる。炭酸で混ぜながらブラウンシュガーを溶かす。ウッドフォードリザーブを注ぎ再び混ぜる。氷を入れ、よくステアし、レモンピールとオレンジピールをグラスのフチに香りづけする。





[レシピ]
・ウッドフォードリザーブ 45ml
・アールグレイ 20ml
・ブラウンシュガー 1個
・オレンジピール 3枚
[つくり方]
グラスにブラウンシュガーを入れ、アールグレイを注ぎよく混ぜる。ウッドフォードリザーブを注ぎ、再び混ぜる。氷を入れよくステアし、オレンジピールを絞ってグラスの中に入れる。






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