BAR TIMES

NEW2019.08.5 Mon

特集企画「トニックエッセンス ジントニックスタイル」 Vol.3ひと口目は軽く、それ以降は濃厚に。
後のせソーダで味わいに変化。

上野 秀嗣(BAR HIGH FIVE)

昨年、大きな話題を呼んだ「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」。バーテンダーのみなさまからの熱いご要望を受け、2019年も「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス プロモーション」が実施されることを記念して、本企画ではトニックエッセンスを監修した5人のバーテンダーに開発当時のお話を伺いながら、スペシャルなジントニックをご紹介いただきます。今回登場いただくのは、BAR HIGH FIVEの上野秀嗣さんです。


苦い、甘い、酸っぱい。ジントニックは、つくるバーテンダーによって味わいが違う。ジン、ライムジュース、トニック、材料はたったこれだけなのに、なぜなのか。そこには、氷選びからライムの絞り方まで、様々なスタイルがあるからだ。「人それぞれでいい。みんな同じつくり方なら、こんなにたくさんのバーはいらない」という上野さんに、トニックエッセンスを使ったジントニックを聞いた。(撮影/BAR HIGH FIVE)



上野さんの『ジントニック』メイキング動画をBAR TIMESチャンネルでご覧いただけます。



16オンスの薄口グラスに大ぶりの氷を2つ。
カクテルの出来にも影響する氷の組み合わせ。

ジントニックのようなロングドリンクの場合、うちでは16オンスの薄口グラスを使っています。薄口グラスは口当たりもソフトだし、温度も手や唇に伝わりやすくて、味わいもやわらかく感じるんですよ。16オンスって聞くと結構な容量ですが、大ぶりの氷を2つ入れるうちのジントニックスタイルにはちょうどいいんです。ただ、自分たちで氷を切っているので、サイズが必ずしも均等にはなりません。氷の組み合わせによって、カクテルの水位が多く見えたり、少なくみえたりと、ばらつきが出てしまうので、氷選びひとつとっても慎重な作業なんです。

ひと口目では軽く、ふた口目以降は濃厚さが徐々に。
最後にのせるソーダで味わいの変化をつける。

ポイントは、ジントニックの上からさらにソーダをのせる点でしょうか。ひと口目はソーダとジントニックが一緒に入ってくるので軽く、ふた口目、三口目からは濃い味わいを徐々に楽しめる、といった意図があります。ほら、あれと同じですよ、石田三成が秀吉に差し出した『三献茶』みたいな感じ(笑)。最初は飲みやすくしといて、だんだん味わいが分かるってね。ソーダによっても変わりますよ、甘味を余計に感じたり、清涼感が足りなかったり。これはお世辞じゃないですけど、ボンベイ・サファイアのジントニックには、ポッカサッポロの『おいしい炭酸水』が一番合うんです。一般的なソーダに比べてガス圧はそれほど高くないですけど、そこがボンベイ・サファイアにはいいんじゃないですかね。



最後に少量のソーダを上からのせることで、ひと口目の軽やかさを出す。

重く苦い成分と軽く爽やかな成分を二分化。
ライムピールを絞り切り、柑橘の苦味を抑える。

皮のついた柑橘をそのままグラスに入れたら、必ず苦味が出ます。その苦味をひとつのアクセントとして捉えるバーテンダーもいるので、つくり方や考え方はそれぞれあっていいと思います。だって、みんな同じつくり方だったら、こんなにたくさんのバーはいらないですからね(笑)。ただ、僕の場合、極力苦味は入れたくない。だから、ジントニックの場合は、ライムピールを絞り切ってからグラスへ落とすようにしています。なぜ絞り切るのか。これはピールを空中で絞ってみるとよく分かります。重くて苦味のある成分は下へ落ち、軽くて爽やかな成分は上へ舞う。絞り切ることで成分が二分化するんです。上に舞った軽やかな成分だけを、空気に乗せてグラスにふわっと移すと、爽やかな香りがグラスを包みます。そして最後にピールをポンッと入れる。絞った後のピールってすごくいい香りがするんですよ。絞り方ひとつでジントニックの味わいが全然違ってきます。

RECIPE


◎ボンベイ・サファイア      40ml
◎トニックエッセンス       10ml
◎ライムジュース          5ml
◎ソーダ              適量
◎ライムピール          1枚


絞り切ったライムピールは良い香りだけが残る。それを最後にグラスへ落とす。

2018年に誕生したトニックエッセンスについて、どんなプロジェクトだったのか、また上野さんがどのようなポイントにこだわって開発を進めたのか、改めて聞いた。

ボンベイのジントニックに使うエッセンス。
ターゲットが狭い分、向かう方向はひとつしかない。

僕は仕事で海外に行く機会が多いので、トニック用シロップという存在も、それが日本にはまだないことも知っていました。だから、トニックエッセンスの開発に携われたことは、正直かなり楽しかったです(笑)。トニックウォーターに限らず、市販品ってターゲットが広いですよね。例えば、僕らバーテンダーの場合、道を歩いている人の嗜好に合わせてカクテルをつくるんじゃなくて、店にいらっしゃるお客様の好みに合わせてつくるじゃないですか。そういう意味で言うとターゲットが狭いし、絞れるんです。トニックエッセンスも同じで、ボンベイ・サファイアの、しかもジントニックのための商品なので、向かっていくところがひとつしかない。市販品をつくることに比べると、よっぽど作業は簡単だったのかもしれません。

トニックエッセンスの開発は、
まるでカクテルを構成するかのような感覚。

カクテルって二種類あると思うんです。まったく違う要素を入れてつくるタイプと、そのものが持っている要素を増幅させてつくるタイプです。ふたつ以上のものを混ぜて、はじめてカクテルになるわけですが、他と混ぜることによってどうしてもそのものが持つ要素が薄まってしまいます。でもそこに、同じ要素を入れてあげると、味わいをもう一回引き上げて増幅させることができる。トニックエッセンスで言うと、それがクベブベリーでした。クベブベリーを入れることで、ボンベイ・サファイアとの相性がビタッはまって、それはもうびっくりしましたね。最初はバラバラだった開発メンバーの意見も一気に同じ方向に向かい、まるでひとつのカクテルをみんなでつくっているかのような楽しさを味わえました。



上野 秀嗣(うえの・ひでつぐ)プロフィール
一般社団法人日本バーテンダー協会専務理事。「BAR HIGH FIVE」(東京・銀座)オーナーバーテンダー。

「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」とは
ボンベイ・サファイア トニックエッセンスは、5人のレジェンドバーテンダー監修のもとに開発された、ボンベイ・サファイアのための本格的なトニックエッセンスです。
トニックエッセンスとは、トニックウォーターの原液です。すでに完成されたトニックウォーターとは異なり、混ぜる炭酸水の水質、硬度、ガス圧、分量などによって味わいが変化します。トニックエッセンスを使うことによってカクテルの幅が広がり、つくり手であるバーテンダーのこだわりと調合技術をカクテルに色濃く反映させることが出来ます。




取材撮影/ BAR TIMES
取材協力 / バカルディ ジャパン株式会社

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