BAR TIMES

2018.10.3 Wed

BAR TIMES 編集企画 ジントニックスタイル Vol.1甘味、苦味、酸味、香り、爽快感
すべての調和を追求したジントニック

藤倉正法 × ビーフィーター

ジントニックスタイル
ジントニックは店の顔。シンプルなレシピなだけに使用する素材、つくり方などバーテンダーの思いが反映され、その店の味わいの傾向が分かるという。バーテンダーはその1杯にこだわり、悩み、自分の味わいを模索する。ジントニックは理想とする形を永遠に追い求められるカクテルのひとつなのではないだろうか。トップバーテンダーたちががつくるジントニック、そのスタイルを紹介する。
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プロフィール


藤倉正法(ふじくら・まさのり)

栃木県足利市出身。大学を卒業後、広告・印刷関係の仕事に就いていたが、興味のあった飲食業のスキルを身につけるため「BAR 猫又屋」(栃木県・足利市)の新井洋史氏からバーテンダーとしての教えを受ける。3年の修業の後、さらに飲食業全般のサービススキルを磨くため「CAFE PDC」(埼玉県・熊谷市)に転職。

2016年からカクテルコンペティションにチャレンジしはじめ、「ビーフィーター グローバルバーテンダーコンペティション2016」に出場。見事、優勝を果たし、日本代表の座を勝ち取った。2017年2月の同世界大会においても、日本人初のファイナリスト(TOP8)となる。2018年7月、栃木県足利市に自らの店「BAR×BAR×BAR WATARASE」をオープンさせる。https://barwatarase.com/



足りないものは補う。
全部を足して100点になればそれでいい。


ビーフィーター グローバルバーテンダーコンペティション2016 日本代表に選ばれた藤倉正法氏。彼がつくり出すジントニックは、極めて爽快で後を引く苦味と酸味が特徴だ。その味わいの秘密は、ベースとなるビーフィータージンとの親和性を第一に考えた自家製ビターズにあった。
「全部を足して出来上がったものが100点になればいい、それがジントニックに対する私の考え方です。日本で流通しているトニックウォーターは苦味が弱く、甘味が強いものが多い。だからといって、その甘さにソーダを足して伸ばしてしまうと、水っぽいジントニックになってしいます。だから、私は自家製のキャラウェイビターズで苦味、ライムで酸味を補い、全体のバランスをとっています。自家製ビターズは、ビーフィーター グローバルバーテンダーコンペティションの創作カクテル『イングリッシュ テンプテーション』のた

めに開発したもので、キャラウェイ、ドライワームウッド、ドライビターオレンジピール、緑茶葉、フレッシュグレープフルーツをウオッカと一緒にエスプーマに入れ、熱湯に沈めて圧力抽出しています。緑茶葉とグレープフルーツピールはビーフィーター24でも使用されているボタニカルなので、ビーフィータージン(47度)との相性もいいですね。もともと、私がジントニックにビターズを使いはじめたのは、師匠である「BAR 猫又屋」の新井さんがアンゴスチュラビターズを加えて作っていたジントニックがアイディアになっています。“ジンとトニックウォーター以外を入れたら、もはやジントニックではない”と考える方もいるかもしれませんが、ビターズを加えることは、ジンやトニックウォーターの種類やボタニカルにこだわることと、それほど変わらないと私は考えています。より手頃な価格でおいしいジントニックをお客様にご提供するひとつの手段が、私にとっては自家製のビターズだったということです」。


「入手可能なボタニカルを数多く取り寄せ、自分が目指す究極のバランスに必要な素材を研究した」と語る藤倉さん。


ジントニックは爽快であること。
そのための “27ml” 。


藤倉氏が使うジンの分量は27ml。1オンスにも満たない。その理由をこう語る。
「グラスによって容量は決まっているので、そのなかでジンの量が多いと、必然的に炭酸の量が少なくなります。ジントニックは1杯目に飲まれることが多いカクテルなので、爽快感は最も重要な要素だと考えています。しかも、私のお店は(※)カフェバースタイルのお店なので、食事と一緒に召し上がるお客様がほとんどですし、あまりガツンしたアルコール感のあるカクテルを求めている方は少ないんです。なので、私は普段、1オンス未満の量しか入れていません。アルコールのボディ感が少ない代わりに、ビターズの苦味と香りで味わいにボリュームを出す。スムースな飲み口でいて、甘味、苦味、酸味、香りをしっかりと感じられるジントニック、これが現時点において、私の理想とする形です」。

ジントニックはその店の味わいを表すカクテルと言われる。藤倉氏のそれはどちらかと言えば酸味が強い。
「個人的に酸味が好きなのでしょうね。酸味が強めの100%ライムジュース(市販)と搾ったライム果汁の両方をきかせていますから。ジントニックにおいて、ライムは、果汁を絞ってグラスの底に落とし込む、果汁だけを使う、ピールを振りかけるなどそのお店によって様々です。私の場合、なるべく果皮のオイルが出てエグ味に繋がらないよう注意しながら搾り、果汁を搾ったライムを仕上げにのせています。そうすることで、グラスを口に近づけた際、一番はじめにライムのフレッシュな香りが鼻先に漂い、爽やかな印象を強く与えてくれますし、アルコールのボディ感が少ない分、ライムピールの多少のエグ味は想定内と考えます」。
(※)取材当時に勤務していた店舗


柑橘×柑橘。
ジンカクテルならではの合わせやすさ。


藤倉氏はジンがもっとも好きなお酒だと言う。しかし、ジンほど多種多様な個性を持つホワイトスピリッツは他にない。なぜビーフィータージンを選んだのか。
「バーテンダーになったばかりの頃、近くの酒屋で揃えられるだけのジンを買い集め、一つひとつテイスティングしました。これからどのジンを軸に自分のカクテルをつくっていこうかと。その中で、最も気に入ったのが、柑橘系の香りが爽やかなビーフィーターでした。ジンはジントニックやギムレットといった、ライムなどの柑橘類と合わせるカクテルが多くありますから、柑橘香が際立っているビーフィーターはジンカクテルを作るのに非常に適したジンだと考えています。また、もうひとつ大事なこととして、メジャーブランドでありながらコストパフォーマンスにすぐれている点にあります。お酒の価格はカクテル1杯の値段に反映されます。価格が高く良い材料を使い、おいしいものをつくるのは当たり前。ただ、それをお客様に納得いただく価格でご提供するためにはコストパフォーマンスは無視できません。そういった意味で、味わい、品質、価格のどれをとっても文句なし。ビーフィーターは私にとって、最も信頼できるジンですね」。

「香りの印象をつくるボタニカルの一つと考え、最後にライムを載せます。ビーフィーターは柑橘との相性が抜群なので、とても爽やかな香りが広がります。」と藤倉さん。




ジントニック RECIPE

◎ビーフィーター47度:27ml
◎ライムジュース 100%:3ml
◎フレッシュライム:1/8カット
◎自家製キャラウェイビターズ:約10dash
◎トニックウォーター:4/5up
◎ソーダ:1/5up

自家製キャラウェイビターズ RECIPE

◎スカイウォッカ:100ml
◎キャラウェイ:10g
◎ドライワームウッド:2g
◎ドライオレンジピール:4g
◎緑茶葉:1.5g
◎フレッシュグレープフルーツピール:1個分

材料をエスプーマに入れ圧力をかけ、熱湯に沈めて15分間抽出。



酒類に他の物品を混和する場合には、原則として新たな酒類を製造したものとみなされ酒類の製造免許が必要ですが、平成20年4月30日より『酒場、料理店等を営む方については、一定の要件の下に酒類の製造免許を受けることなく、その営業場において自家製梅酒等を提供することができる。』特例措置が設けられております。特例適用混和に当たっての必要な手続等について詳しくは以下のリンクをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/kaisei/pdf/02.pdf
https://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/06/33.htm
※ 記事中でご紹介しております飲食店は特例措置の申請を行っております。

藤倉さんのジントニックメイキング動画 撮影場所 BAR TIMES STORE

取材撮影/ BAR TIMES  取材協力 / サントリースピリッツ株式会社

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