BAR TIMES

2017.02.8 Wed

BAR TIMES編集部が今注目するTOP BARTENDER新井 和久さん

第3回[TOP BARTENDER Philosophy]BAR TIMES 編集部

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TOP BARTENDER Philosophy

バータイムズ編集部が今注目のバーテンダーをご紹介する編集企画「TOP BARTENDER Philosophy」(トップ バーテンダー フィロソフィー)。バーテンダーの仕事とは、カクテルとは、今後のビジョンはなど、トップバーテンダーたちは、どんな思いやこだわりを持って自らを高め、理想に向かって邁進しているのか。普段のカウンター越しでは見られない一面をご紹介いたします。

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今回ご紹介するトップバーテンダーは新井和久さん。2016年6月、アイルランドのミドルトン蒸留所で開催されたアイリッシュウイスキー「JAMESON(ジェムソン)」主催のカクテルコンペティション世界大会に日本代表として出場。世界各国の代表32名と熱い戦いを繰り広げ見事に世界チャンピオンの座を勝ち取りました。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.bar-times.com/contents/42457/



日本のリラックスタイムを表現


世界を魅了したウイニングカクテル「Take a Break」。新井さんのどんな思いが込められているのだろうか。

「各国の代表がJAMESONをベースに自国のエッセンスを取り入れたカクテルを披露する「Jameson with a local twist」が大会のテーマでした。僕は禁酒法時代に人気だったクラブカクテルに「日本のリラックスタイム」のイメージを融合させました。具体的には日本のお風呂とお茶のエッセンスを取り入れたんです。」

お茶はともかくカクテルに日本のお風呂のエッセンスとはユニークである。

「日本人のリラックスタイムと言えばやっぱりお風呂です。ですから日本のお風呂を想起させる「ヒノキの香り」がこのカクテルのとても重要なアクセントになっています。でも外国人の審査員にヒノキのお風呂の良さを伝えるのが難しい(笑)。世界大会のプレゼンテーションでは審査員にヒノキの桶を手渡し、ヒノキのお風呂の動画を流し、ヒノキのミストで香りをつけた手ぬぐいを首にかけました。さらに升をカンナで削ってヒノキの香りを立たせたりとカクテルのストーリーを深く理解してもらうために工夫を凝らしました。」


◎プレゼンテーションの詳細は記事の最後にリンクされている動画をご覧ください。〈「Bar 霞町 嵐」のカウンターで「JAMESON(ジェムソン)」主催のカクテルコンペティション世界大会でのプレゼンテーションを再現して頂きました。〉


せかっくの大舞台、ただ楽しもう


日本大会では7分だった制限時間が世界大会は3分に短縮され、しかも全て英語でのプレゼンテーション。世界の大舞台で緊張はなかったのだろうか。

「しっかり準備は出来ていましたので「どうにかなるだろう」と開き直ることが出来ました。せっかくの大舞台ですから、ただ楽しむ、そしていつも通り美味しいカクテルを丁寧につくることだけを心がけました。それに同行してくれた 久保俊之さん( ark LOUNGE& BAR)と齋藤恵太さん(フリーランス)が常に盛り上げてくれたので、とても良い雰囲気で本番に臨むことが出来ました。」

「上海」新しいステージへ。


世界チャンピンオンの称号を手にした後、新井さんに心境の変化はあったのだろうか。

「僕自身はとくに変わっていないつもりなのですが周囲にはいろいろな変化がありました。実は2017年から仕事のベースを上海に移して、新しくスタートするプロジェクトに参加することが決まっています。世界大会の優勝がきっかけで頂いたオファーですから、バーテンダーとしてのキャリアはもちろんですが、僕の人生にも大きな変化をもたらしてくれました。」

◎新井さんは、2017年2月14日にグランドオープンする上海の「Sober company」のバーセクションのマネージャーに着任されます。「Sober company」は 後閑信吾さんがプロデュースする「Speak Low」の2号店。「Speak Low」は「Asia’s 50 Best Bars 2016 」で2位に輝いた世界が注目するバーです。)



Take a Break

ジェムソン アイリッシュ・ウイスキーのバーテンダーズボール(カクテル・コンペティション)2016年の世界大会の優勝カクテル

1930年代の禁酒法時代に人気だった“クラブカクテル”をツイストし、日本の休憩をテーマにお茶とお風呂のイメージを「JAMESON」に融合させたカクテル。ほうじ茶をインフュージョンした「JAMESON」をベースに、檜シロップやラベンダービターズを加え、リラックス効果のある3つのアロマを卵白で包み込み、「JAMESON」カクテルが檜風呂に入るように仕上げる。


レシピ

◎ジェムソン アイリッシュ・ウイスキー
(ほうじ茶インフュージョン )50ml
◎卵白
◎檜シロップ(自家製) 20ml
◎レモンジュース 15ml
◎ラベンダー ビターズ 2ドロップ


海外に舞台を移し目指すビジョンは


「今は与えてもらったチャンスをしっかり自分のものにしていく以外に考えていません。ただ僕と同世代のバーテンダーがどんどん活躍の場をひろげています。みんな良き仲間でありライバルでもありますので、お互いに刺激しあってバーを盛り上げ、そして成長していきたいと思っています。」

カクテルへのこだわり


「僕のバーテンダーとしてのスタートはホテルバーだったので海外のお客様にカクテルを提供することも少なくありませんでした。そのせいか自分でレシピを創作するオリジナルカクテルよりも世界中で愛されているスタンダードカクテルへのこだわりの方が強いと思っています。シンプルで完成度の高いカクテルを追求する中で、自分だけの味をつくる楽しさがやっと分かってきたのかもしれません。」



プロフィール
新井和久(あらい・かずひさ)
ジェムソン アイリッシュ・ウイスキーのバーテンダーズボール(カクテル・コンペティション)2016年世界大会優勝。「ザ・プリンス パークタワー東京」「Bar 霞町 嵐」とバーテンダーのキャリアを積み、2017年、上海に活躍の場を移す。

新井さんのカクテルメイキング動画をBAR TIMES チャンネルでご覧ください。

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