
2016.05.24 Tue
伝統が今も息づく正統派ブランドブッシュミルズ(1)
第二回 バーでこそ飲みたいウイスキーBAR TIMES 編集部
こよなくバーを愛するバーファンのみなさまに、バータイムズ編集部がとっておきのウイスキーをご紹介する編集企画『バーでこそ飲みたいウイスキー』。ウイスキーは香りや味わいだけでなく、蒸溜所の風土や歴史、樽や仕込み水へのこだわり、スチルや蒸溜方法の個性、バッティングの技術など、様々なストーリーを知ることでより深く愉しむことができます。ぜひバーでこそ、そんなウイスキーの味わい深い世界をお愉しみください。


アイルランド島の北端、冷たい海に面したイギリス領北アイルランド・アントリム州。
この地に立つブッシュミルズ蒸溜所は、1608年創業とも言われるアイリッシュウイスキー最古の蒸溜所です。二回目である今回は、このアイリッシュウイスキー最古の蒸留所が送り出す「ブッシュミルズ」をご紹介します。
アイリッシュウイスキーの伝統的な製法である3回蒸溜を守り、原料にはノンピート100%のモルト原酒を使用することで、軽やかでスムースな口当たりを実現。それでいてモルトの味わいがしっかりと感じられるのが特徴のブッシュミルズは、ぜひバーで味わっていただきたいウイスキーです。


1608年に創業したと言われている、アイリッシュウイスキー最古の蒸溜所であるブッシュミルズ蒸溜所。
アイルランドで1850年代に麦芽税が施行されると、多くの蒸溜所では未発芽大麦を使用するようになりましたが、ブッシュミルズは大麦麦芽(モルト)にこだわり続けています。
ライトでスムースな口当たりが特徴のブッシュミルズは、世界的にも人気が高まっており、日本でも確実に愛飲者が増えています。


ブッシュミルズは大麦麦芽(モルト)にこだわり続け、スムースな飲み口を実現するために100%ノンピート麦芽を使用しています。

アメリカンオークのバーボン樽、スペイン産のシェリー樽、ポートワインやマディラワイン、ラム熟成樽など様々な高品質の樽を使用しています。

ネックの細長い銅製の小型ポットスチルを使い、アイリッシュウイスキーの伝統である“3回蒸溜”を行うことで軽やかな原酒が生まれます。

原料である穀物処理からボトリングまでの全工程を蒸溜所で一貫して行うことで、常に安定した品質のウイスキーの提供を可能にしています。


ブッシュミルズのスタンダード商品。3回蒸溜をしたモルト原酒と軽やかなグレーン原酒をブレンド。スムースな口当たりとフレッシュな果実の様な味わいです。
テイスティングノート
香り
軽やかで、フルーティかつスパイシー。バニラの香りの後にクリームブリュレのような香りが続く。
味わい
穏やかな温かみがあり、口いっぱいに味わいが広がっていく。ほのかなハチミツの甘さも感じる。
余韻
すっきりとしたクリスプな後味。かすかなスパイスのニュアンスも。

オロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年長期熟成させたモルト原酒を80%以上使用し、少量生産のグレーンウイスキーとブレンド。シェリー樽熟成由来の熟した果実の香りと重厚な味わいが特徴です。
テイスティングノート
香り
円熟した濃厚な香りからスタートし、すぐに軽やかでスパイシーなフルーツケーキのような香りに変わる。
味わい
奥深い味わいが舌の上で湧き立ち、喉の奥へと広がっていく。口当たりはシルキーでスムース。シェリーのほのかな甘さも心地いい。
余韻
芳醇で甘い余韻が長く続いていく。シェリー樽由来の力強さとモルト自体のやわらかさがバランスよく調和する。

ノンピートの大麦麦芽のみを使用したシングルモルトウイスキー。伝統の3回蒸溜を経て、主にバーボン樽で最低10年以上熟成。ハチミツやバニラなどの甘い香りと複雑な味わいです。
テイスティングノート
香り
フルーティかつスパイシーで、軽やかな芳香。バーボン樽から来るほのかなハチミツの香り。
味わい
溶けたチョコレートの味わいが舌に心地よく絡み、口の中でハチミツの甘さや樽の香ばしさがほどよく膨らむ。
余韻
穏やかな味わいの割に、後味はキリッとしてクリーン。ドライな印象が少しずつ消えていく。