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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2016.02.1 Mon

SAKETRY 「思い出のボトル」第八回よりアードベッグ ウーガダール
片野 靖雄 氏

絵:佐藤英行
文と写真:いしかわあさこ

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海を思わせるヨード香と、スモーキー フレーバー、フルーティでスイート……。アードベッグといえば、そんなテイスティングノートが思い浮かぶ。しかし、仕込水として使われる湖の名前が由来の「ウーガダール」は、しっかりとしたボディの中に柔らかさがある。発売直後、セミナーで初めてそれを口にした片野靖雄さんは、それまでに感じていたアードベッグの強烈な味わいとは異なる衝撃を受けた。関内のバー「カサブランカ」に入店してまもない頃だった。
初期ロットは1991年、1993年蒸留のバーボン樽で熟成した原酒と、1976年、1977年蒸留のシェリーカスクで熟成した原酒をヴァッティングしている。蒸留所は1980年代に操業を停止していたため、その前後に蒸留されたものというわけだ。
アードベッグ独特の個性と自然な甘さは、蒸留釜に取り付けられたピュアリファイアー(精留器)によるものと言われるが、原酒の組み合わせも素晴らしかった。その絶妙なバランスに魅了されながらも、自身が’76年生まれなことから親しみも感じた。


2010年6月、独立して開いた店のバックバーに、ウーガダールを置いた。中身は初期ロットの配合から変わっているが、それ以来ほとんど切らさずにいる。最近では、アリゲーターやアードボッグ(※)などもお勧めだ。
ただ、これまでアードベッグ蒸留所を訪れる機会に恵まれていない。かつてスペイサイドやキャンベルタウンを訪れたとき、現地に行く意味を感じた。原酒、製造、いろいろ直接聞きたいことがある。今年こそはアイラ島に、と思っている。

※ アリゲーターは、樽の内側を最も強く焦がす「アリゲーター・チャー」を施した新樽で熟成させた原酒を一部使用したもの。アードボッグは、ピートが採掘される湿地(Peatbog) に由来し、バーボン・カスクとマンサニージャ・シェリー・カスクでそれぞれ10年熟成した原酒をヴァッティングしたもの。

カサブランカ 片野酒類販売
神奈川県横浜市中区太田町2-31-3 コーポサンライフ太田町203
045-228-7377
営業時間:18:00~05:00(日・祝~ 03:00)/無休

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佐藤英行
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
facebook https://www.facebook.com/h.sato.phs

いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
今宵のバー? http://www.koyoinobar.com/
facebook https://www.facebook.com/asako.ishikawa.5

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