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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2015.11.25 Wed

SAKETRY 「思い出のボトル」第二回よりグレンタレット1966
高橋 克幸 氏

絵:佐藤英行
文と写真:いしかわあさこ

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グレンタレット1966は、漆黒のフロスティボトルに蒸留年と瓶詰年がローマ数字で表記された、心惹かれる一本だ。映画のクレジットなどでもこの表記は使われているが、蒸留は「MCMLXVI」、瓶詰年は「MCMXCIII」と記されており、それぞれ1966、1993年を表している。
グレンタレットは1775年に創業し、現存する蒸留所では最も古い。2万8899匹のネズミを捕まえてギネスブックに掲載された、ウイスキーキャット「タウザー」も有名だ。ウイスキーの原料となる大麦を狙って、ネズミや小鳥がやってくるのを防ぐために、蒸留所では猫を飼っていた。


「もるとや」店主の高橋克幸さんは、このボトルがリリースされた頃、池袋駅西口にあったバー「椿」に勤めていた。まだシングルモルトに傾倒する前で、数年後にモルトバーをオープンするとは思っていない。ところがある日、モルト好きの客と共に京橋まで飲みに出かけた。店の名前は「宝鏡堂」。お互い何杯かレアモルトを飲んだが、グレンタレットのクリーミーで奥が深い味わいに、ほかのモルトの味を忘れてしまった。この出会いが、1997年にオープンした「もるとや」のはじまりになる。
看板の文字は、高橋さんのご長男が小学1年生のときに書いたもの。平たい絵の具の筆を持たせて、半紙に何枚か書かせてみたところ、なかなか味のある仕上がりになった。そんな場面を想像すると、思わず微笑ましくなる。マニアックな店名とバックバーに広がるシングルモルトに、最初は構えてしまうかもしれないが、その文字と高橋さんの飾らない人柄が肩の力を抜いてくれる。

もるとや 池袋店
東京都豊島区東池袋1-8-6 DKY12 ビル1F
03-5952-9277
営業時間:16:00 ~ 04:00(土15:00~04:00、日・祝15:00~02:00)/無休
もるとや ホームページ

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佐藤英行
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
facebook https://www.facebook.com/h.sato.phs

いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
今宵のバー? http://www.koyoinobar.com/
facebook https://www.facebook.com/asako.ishikawa.5

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