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NEW2025.09.22 Mon

清酒「久保田」醸造元の蒸留酒「KUBOTA GIN」クロストーク里山の四季を映す季節限定蒸留シリーズ
第1弾『KUBOTA GIN 秋ふくる』の世界観を知る

BAR TIMES レポート

新潟が誇る銘酒「久保田」を醸す朝日酒造が、ジンの蒸留を手掛けていることをご存じだろうか。その名も『KUBOTA GIN』。自然とのつながりをテーマに、「くつろぎ」や「癒し」をもたらす日本の里山を表現する。
同ブランドから、日本の里山にめぐる春夏秋冬を表現した【季節限定蒸留シリーズ】として、2025年9月8日、第1弾となる『KUBOTA GIN 秋ふくる』がリリースされた。発売に合わせ、『KUBOTA GIN』の世界観を伝えるクロストークイベントが開催され、オリジナルカクテルが振る舞われた。

『KUBOTA GIN』公式ページはこちら
『KUBOTA GIN 秋ふくる』は「雪国紅茶」「金木犀」「いり番茶」をキーボタニカルに里山の秋を表現

朝日酒造でジンを蒸留するようになったのは、2024年からのこと。本社敷地内に「越路蒸留所」を竣工し、来たる2030年の創業200周年に向け、「次の100年を見据えた新しい挑戦」として始動した。
『KUBOTA GIN』のテーマは「自然とのつながり」。四季や里山の風景や自然がもたらす癒しをイメージして商品開発がされた。豊かで洗練された香味、繊細でまろやかな味わいで、完成からわずか数カ月後に出品したIWSC(International Wine & Spirit Competition)2025ではブロンズ賞を獲得している。

【季節限定蒸留シリーズ】を展開する理由は、里山にめぐる春夏秋冬を表現するため。二度と同じ景色には出会えない四季折々の風情をジンに込める。 第1弾となる『KUBOTA GIN 秋ふくる』は、2025年のみの限定蒸留であり、限定販売となる。更けゆく里山を表現するべく、キーボタニカルに、新潟県村上市の和紅茶「雪国紅茶」、ココナッツや桃のような甘さも感じられる「金木犀」、焚火のようなスモーキーな香りが特徴の「いり番茶」を使用。秋の陽だまりのようなやわらかさ、落ち葉や焚き火を思わせる懐かしい枯れた香りが感じられる。

KUBOTA GIN 秋ふくる(1,000本限定蒸留)

容量:700ml
価格:6,500円(税抜)
アルコール度数:47度
2025年だけの里山の秋を表現するため、キーボタニカルの他に『KUBOTA GIN』の16種類のボタニカルのバランスをチューニングして、22種類の原酒を最適な配合でブレンドしている。

ご購入はこちら
※完売となっている可能性がございます。

開発責任者、蒸留家、アンバサダー、バージャーナリストが登壇。「一期一会」のジンを語る

『KUBOTA GIN 秋ふくる』のクロストークイベントには、朝日酒造「KUBOTA GIN」開発責任者の田村博康さん、蒸留家の市川絵梨さん、ブランドアンバサダーの加曽利 信吾さん、そしてゲストにバージャーナリストの児島麻理子さんが登壇。世界観の構築の仕方に始まり、造りの特徴や製品に対するそれぞれの思いを語った。

写真左より、「KUBOTA GIN」開発責任者の田村博康さん、蒸留家の市川絵梨さん、ブランドアンバサダーの加曽利 信吾さん、バージャーナリスト・PRコンサルタントとして活躍する児島麻理子さん。

田村 どうやって里山を表現するか。おにぎりを食べながら蒸留所の周りの野山を散歩してみたり、自生する植物の香りや組織を研究したりして、感覚の解像度を上げていきました。季節限定蒸留で毎年違う味わいを提供して、2度と同じ味に出会えない「一期一会」の新しい『KUBOTA GIN』で移ろいゆく季節を味わっていただきたいです。いろんな飲み方ができるのがスピリッツのよさなので、我々が推奨している飲み方以外にも身近な素材を合わせたり、多彩なシチュエーションで愉しんでいただけたらと思います。

市川 日本酒の麹の研究開発から突如、ジン製造にポジションが変わったのが去年のこと。五島列島「五島つばき蒸溜所」に出向いて修業するなどしてジン造りに取り組んでいます。『KUBOTA GIN 秋ふくる』はエキス分を濃く抽出した原酒を、香りのボリューム感と甘さを感じられるようにブレンドしました。温かみのある味わいに仕上がっています。地元の方にとってはあまりにも慣れ親しんでいるボタニカルかもしれませんが、日本酒とはまた違う形で地元の自然を感じていただきたいです。

加曽利 日本的な情緒が詰まったジンなので、その魅力やカクテルのレシピを国内だけでなく世界に向けて発信したいですね。日本特有の水やお茶、お湯で「割る」アプローチも取り入れてカクテルを提案しています。今日は、実際にカクテルで味わってみてください。

児島 里山は英語でも「satoyama」と表現するんですよね。つまり、人が介在する自然をテーマにする『KUBOTA GIN』のコンセプト自体が極めて日本的です。さらに、そこに【季節限定蒸留シリーズ】として四季を織り込む。世界のどこを見ても、蒸留酒に季節感を織り込む国などないのではないでしょうか。味わいだけでなく、そういった感性からしてとても日本的なジンだと思います。

今後は、毎年、しかるべきタイミングで新しい季節限定蒸留をリリースし、その年その季節だけのフレーバーを提供していく。たとえ同じ季節でも同じ味にはならない特別感満載のジンのシリーズ化に注目だ。

アンバサダー・加曽利信吾さんが提案する『KUBOTA GIN』カクテル

国内外のコンテストで多数の表彰経験をもつ加曽利さん。バーテンダーとしての幅広い技術と知識を学んだ後、外資系ホテルを経てアンバサダーに就任。都内のホテルサービス専門学校でバーテンダースクールの講師も務め、 若手育成にも尽力している。

会場では、加曽利 信吾さん考案の『KUBOTA GIN』の世界観を体感できるオリジナルカクテル4種類が振る舞われた。

「日本を代表する銘酒の酒蔵が精魂込めて造ったジンです。日本人バーテンダーとして、和の要素を取り入れ、世界の人に愉しんでもらえるカクテルを、という視点で考えました」(加曽利さん)

いずれも比較的再現性が高く、飲食店をはじめ、少しがんばれば家飲みでも愉しめるレシピとなっている。
とくに、水割りの考えを取り入れたマティーニ「MIZU」や、お湯割りでアプローチするホットカクテル「AKI」はシンプルでいてユニークだ。『KUBOTA GIN』の個性を立たせながらも、アルコール度数が抑えめでドリンカブル!
料理にも親しみやすい飲み方提案で、食事のシーンに『KUBOTA GIN』が寄り添うことを予感させた。

SATO

柔らかさと甘酸っぱさの調和、KUBOTA GINで夕暮れの里山を表現 酸味・甘み・旨味の三味と、サワーカクテルのテクスチャー(舌触り)の柔らかさを感じとれる1杯。『KUBOTA GIN』のボタニカルに含まれる柚子の果汁をしぼり、香りには カモミールの黄色い香りを添えている。 また、卵白を使ってテクスチャーにも工夫を凝らした。

MIZU

日本の水割り文化を進化させた、モダンなハイブリッドマティーニ ジンカクテルの王様として有名なマティーニの水割り(お茶割り)。日本では「MIZUWARI」という独自の 飲み方の文化があるので、水出しで抽出した国産の烏龍茶で『KUBOTA GIN』を割っている。日本酒、ドライベルモットも加え、ボディ感は保ちながらも、飲み心地のよい日本人に合ったマティーニを追求し、和洋の文化を混ぜたカクテルに仕上げた。

MORI
深い緑とほろ苦さが広がる、日本の森を味わう一杯 深い森をイメージして『KUBOTA GIN』の世界観を色と味わいで表現。抹茶を使い、苦味とハーバルな感じを生んだ深い緑に大地の生命観を感じる味わいに。海外の飲み手にも人気の高いネグローニ、オールドファッションのツイストのような形で、グローバルに好まれるバランスに仕上げた。デコレーションは森の草花と光(木漏れ日)を表現している。
AKI(「KUBOTA GIN 秋ふくる」使用)
ほのかな甘みと温もりで、秋の夜長を楽しむジンホット 「KUBOTA GIN 秋ふくる」のお茶と花の香りにスパイスと甘みを重ね、ほっとする温もりが広がる秋限定のジンでは珍しいホットカクテル。「KUBOTA GIN 秋ふくる」で感じられるオレンジのようなフレーバーとキャラメルと煮詰めたような甘み、ミドルノートから感じられる紅茶のような長い余韻を引き出すべく、お湯割りを採用。ワンポイントにチョコレートビターズを数滴加えている。


インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。

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