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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2022.07.8 Fri

ホイッスルピッグでつくるClassic & Originalカクテル
ピスタチオ、りんご、トリュフ。チーフ・ピッグ“MJ”もきっと唸るごちそうカクテル

ホイッスルピッグ 10年 × マンダリン オリエンタル 東京 マンダリンバー 小田健吾

アメリカ最大の出品数を誇る「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2017」にて、最優秀ウイスキー(Best in Show)の称号を獲得したライ・ウイスキー「ホイッスルピッグ」。世界で最も多くの賞を獲得しているライ・ウイスキーである。
蒸留所の設立は2007年。ライ・ウイスキーの可能性にかけた伝説のマスター・ディスティラー(蒸留責任者)、デイヴ・ピッカレルが率いるチームによって生み出された。東京・日本橋の5つ星ラグジュアリーホテル、マンダリン オリエンタル 東京 「マンダリンバー」のヘッドバーテンダー小田健吾さんに、「ホイッスルピッグ」の原点ともいえる「10年 スモールバッチ・ライ」を使って、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2種を考案してもらった。


「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」は、複雑で深味のあるブランドの原点

「ホイッスルピッグ」の蒸留所があるのは、アメリカ・バーモント州ショアハムの広大でのどかな農場の中。ライ・ウイスキーのよいところを大切に守り、無駄なものは排除し、ウイスキーのために革新を続けることが理念だ。その味わいのよさは、数々の賞を獲得してきたことからも伺い知れ、「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」については、権威ある全米のワイン専門誌「ワイン・エンシュージアスト」で96点という高得点を獲得するなど、ライ・ウイスキーの歴史を変えたともされる。


蒸留所のファームを想起させる明るく陽気なニュアンスが魅力

はじめに、小田さんが感じたホイッスルピッグの特徴や魅力を訊いてみた。

「余韻が長いのに明るいニュアンスのウイスキーだと感じました。余韻の長いウイスキーはエレガントすぎる傾向にありますが、ホイッスルピッグは蒸留所のイメージ通り、牧歌的で陽気な印象です。それに、ライ・ウイスキーにはめずらしく、良い意味でのオイリーさを持っているのも特徴だと思います。一般的にライ・ウイスキーは良くも悪くもザラッとしていて飲み応えはあるんですが、これは舌触りが実になめらかです」

ではどのようなカクテルがホイッスルピッグには向いているのだろうか。

「ホイッスルピッグは、華やかで飲みやすいので少しポップなカクテルにしてもいいと思います。今回、オリジナルカクテルにピスタチオを使っていますが、ホイッスルピッグのようなハイクオリティなライ・ウイスキーにはナッツ系も相性がいいですね」

余韻を引き上げるマンダリン オリエンタル 東京流『オールドファッションド』とは

今回、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2つのカクテルを考案してもらった。
まずはクラシックカクテルから。ホイッスルピッグをベースに小田さんが選んだのは『オールドファッションド』だ。なぜ小田さんはオールドファッションドを選んだのだろうか。

「オールドファッションドは世界でもっとも人気の高いカクテルのひとつなので、それをホイッスルピッグでつくり、より多くの方に楽しんでいただきたいと思ったからです。それとバーボンよりもライ・ウイスキーでつくった方が重くならないですし。ポイントとなるのは、グリオッティンチェリーの浸漬液を加える点です。よくチェリーだけ使って浸漬液は捨ててしまう方もいますが、これはれっきとしたリキュールなんです。ほんの1ティースプーンを加えるだけで余韻を引き上げてくれる効果があります。これがマンダリン オリエンタル 東京流のオールドファッションドです。また、使用するウイスキーに合わせてビターズを調整するのも私のスタイルで、今回はアンゴスチュラとアボッツを組み合わせました。2つのビターズを組み合わせることで、香りが単調にならないよう工夫しています」

仕事終わりのMJに捧げるブタの好物を組み合わせたナッティ感あふれる一杯

2つ目のオリジナルカクテルは、小田さんが得意とするサワーカクテル。思わず笑ってしまうユニークなコンセプトが隠されていた。

「ホイッスルピッグのファームには、モーティマー・ジュニア(MJ)という名のブタがいます。彼はファーム内のブタのトップを努めるチーフ・ピッグとして働いています。もしMJが一日の仕事を終えて、一杯楽しむとしたらどんなカクテルがいいだろうと(笑)。それで、ピスタチオやりんご、トリュフといったブタの好物を集めた『MJトリート』を考えました。トリートとは、“ごちそう”や“おやつ”という意味があります。味わいの特徴としては、ホイッスルピッグの綺麗な穀物感を主体に、ピスタチオハニーとりんごが生み出す優しいニュアンス、そしてトリュフハニーのアクセントが長く続きます。先述の通り、ピスタチオはライ・ウイスキーとの相性が良く、控えめながらしっかりとナッツ感を主張してくれます。しかもグリーンの色合いはまさにファームを彷彿とさせる美しさです。卵白を使ったサワーカクテルなので、口当たりもなめらかでMJもきっと気に入ってくれると思います(笑)」


 

クラシックカクテル『オールドファッションド』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:60ml
・ブラウンシュガー:5g
・グリオッティンリキュール:1tsp
・アンゴスチュラビターズ:2drop
・ボブズビターズ アボッツ:2drop
・ソーダウォーター:少量
・オレンジピール
・レモンピール
・グリオッティンチェリー

【つくり方】
1.グラスにブラウンシュガーとグリオッティンリキュール、2種類のビターズを加え、ソーダウォーターとともに馴染ませる。
2.氷を入れ、ホイッスルピッグを注ぎステア。
3.オレンジピールとレモンピールを振り、チェリーを飾る。


オリジナルカクテル『MJトリート』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:40ml
・ピスタチオハニー:30g
・りんごジュース:30ml
・フレッシュライムジュース:15ml
・自家製トリュフハニー:5ml
・卵白:1個分
・ドライアップルとミントの葉(ガーニッシュ)

【つくり方】
1.ホイスルピッグ以外の材料をハンドブレンダーでよく混ぜる。
2.ホイッスルピッグを注ぎ、再びハンドブレンダーで攪拌する。
3.氷を入れシェークし、濾しながらグラスに注ぎ、ガーニッシュを飾る。



小田健吾(おだ けんご)
2010年に単身欧州に渡り、異国のバー文化に触れ、バーテンダーの道に進む。大阪・堺市でキャリアをスタートし、東京でさらなる研鑽を積んだ後、マンダリンバーのヘッドバーテンダーに着任。幅広い洋酒に精通し、とりわけウイスキーの深い知識を有しえる。カクテルコンペティションで優勝するほか、海外のバーからゲストバーテンダーとして指名され、洋酒の品評会「TOKYO Whisky & Sprits Competition」では公式審査員を務めるなど、国内外で活躍。

マンダリンバー
マンダリン オリエンタル 東京の37Fに位置するモダンジャパニーズがコンセプトの「マンダリンバー」。日々の喧騒から離れ、煌びやかな夜景とともにラグジュアリーなひと時が過ごせる。ヘッドバーテンダー小田 健吾さんによる、ホテルが位置する五街道の起点「日本橋」を表現したシグネチャーカクテルのほか、季節の日本酒セレクションやノンアルコールカクテルなど、バリエーション豊かなドリンクをご用意。
東京都中央区日本橋室町2-1-1 37F
Tel:03-3270-8188(代表)


   

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