BAR TIMES

2018.03.12 Mon

映画『シューマンズ バー ブック』特別試写会チャールズ・シューマン氏 × 菊地成孔さん スペシャルトークショー

BAR TIMES レポート

映画『シューマンズ バー ブック』の公開を記念して、世界中のバーマンのバイブルとなったベストセラーの著者であり、まさに映画の主人公であるチャールズ・シューマン氏と、ジャズミュージシャンとして絶大な人気を誇り、文筆家として映画批評も多く手掛ける菊地成孔さんによるスペシャルトークショーが2018年3月6日(火)に東京ドイツ文化センター(東京・青山)にて行われました。

“君たちは僕が何を望んでいるかわかるよね、それは強い酒をすすることだ”ーーというゲーテの言葉の紹介とともにお二人が登壇され、「私はまだ55歳の若造ですが、仕事柄色んな方とお会いします。しかしこれほどあなたに会えて光栄ですという言葉が似合う夜はありません。」という菊地さんと、それに対し「私に比べれば若造ですがそんなに若くはないですよ、でもありがとう」とお茶目な返しで会場の笑いを誘うシューマン氏。
世界的な伝説のバーマンと、ジャズミュージシャン。バー文化を愛するお二人の、めったに見られないコラボレーションの模様をご紹介いたします。

 


トークショーに際し、シューマン氏自ら本作の3つの重要なポイントを紹介してくれました。
一つ目は、「映画のサウンドトラックはシューマン氏の息子さんが担当しているということ」。二つ目は、世界中のバーでバイブルとなった革新的レシピ本「『シューマンズ バー ブック』を作ったのはシューマン氏の大事な友人であること」。そして三つ目は、「映画が終わった後、多くの人がバーに足を運びお酒を嗜んでくれたということ」。

本作は、新たな感性で作るクラフト的なカクテルで人気を博すバーから伝統と格式を保つホテルのバーまで、シューマン氏が気取ることなくふらりとその扉を開いていくというもの。「『シューマンズ バー ブック』という映画は、バーの色々な側面を見せてくれるという意味で大きく貢献できたのかなと思います」と率直な感想を述べてくれたシューマン氏。
そして映画完成後には、「形式的な儀式やセレモニーではなく、人と人とが生み出すような、バーマンという職業はなんて人々に喜びの与えられる職業なんだということを実感しています。」と、改めてバーマンという自らの存在意義を噛みしめたといいます。


革新的なバーブックの出版はおろか、モデル業もこなし、そして35年ものあいだ世界のトップバーとしての人気を誇り続ける、生涯現役主義のバーマン。
そんな彼の魅力が惜しむことなく引き出された本作を、菊地さんは「簡単に言うとマエストロがどんだけかっこいいいかという映画」であると評し、話題は日本のバー文化へとうつってゆきます。

「この映画では、(シューマン氏による)東京のバーへの尊敬がよく描かれている。私も実家がお寿司屋さんだったのでよくわかるのですが、緊張感を保つ一対一の接客というのは日本ならではのスタイルです。お酒を飲んでぐだぐだになってしまうギリギリの境目を越えないように、知的で上品に事を進めて行くという特有のバースタイルに興味を持っていられるように映りました。」といいます。


菊地さんの分析にシューマン氏も首を大きく縦に降り、「私は東京のバーに対して羨望の眼差しを抱いています。私の考える正しいバーマンの在り方というものは、客が飲みすぎないようにすることです。日本のバーというものは本当にすばらしい。色々なエッセンスをいつも吸収させてもらっています。」と笑顔で語ってくれました。
そして、「これは決してカクテルの作り方を見せる映画ではありません。同じお酒でも色々な国によってどのような飲み方があり、そして世界中のバーマンが彼らの独自のスタイルと創造性によってどのようにバーに命を吹き込んでいるのかということをこの映画を観る皆さんには味わってほしい」という、バーマンであるがゆえにバーマンを愛する、シューマン氏ならではのメッセージを投げかけてくれました。
 

 
「文化の発展場に必ずあるといわれるカフェに比べれば、バーという場所は一般的に随分とアンダーグラウンドなものと思われがちだが、この映画を観ることでバーへの印象が変わるのではないか。バーカルチャーの秘めるあらゆる可能性を右から左まで拾っているような映画である」という菊地さんの言葉のとおり、本作はオーセンティックなスタイルから新世代バーまで、多岐にわたるバーの個性というもの、そしてそれぞれの秘める可能性というものを意識せずにはいられない作品となっています。

「バーという場所が、社会的、文化的に重要な意味をもつということが、だんだん分かられはじめているような気がする」というバー文化を愛するお二人のお言葉がいかほどのものか、ぜひ劇場で、そしてバーに足を運んで確かめることをおすすめします。
 


 
■チャールズ・シューマン
1941 年9 月15 日生まれ。世界を放浪したのち31 歳の時ミュンヘンに戻り、1982 年ミュンヘンに「シューマンズ バー」をオープン。爆発的に人気のバーとなった。1991 年に刊行した「シューマンズ バー ブック」(河出書房新社)は世界中のバーでバイブルとして愛読されるベストセラーに。76 歳となった今も毎日バーに立つ、伝説のバーマン。

■菊地成孔
1963年6月14日生まれ。千葉県銚子市出身のジャズ・ミュージシャン、音楽家、文筆家。85年にプロデビューし、ジャズを基本に音楽活動を展開。現在は「デートコース・ペンタゴン・ロイヤルガーデン」、「菊地成孔とペペトルメント・アスカラール」、「菊地成孔ダブ・セクステット」で活動中。文筆家としては「スペインの宇宙食」、「歌舞伎町のミッドナイトフットボール」、「ユングのサウンドトラック」など。
 


 

映画『シューマンズ バー ブック』
4月21日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

映画「シューマンズ バー ブック」
監督:マリーケ・シュレーダー
出演:チャールズ・シューマン、シュテファン・ウェーバー、デイル・デグロフ、ジュリー・ライナー、コリン・フィールド、岸久、上野秀嗣、他
2017年/ドイツ/98分/カラー/シネスコ/ステレオ
後援:ドイツ連邦共和国大使館
配給:クレストインターナショナル
公式サイト: crest-inter.co.jp/schumanns/
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