
NEW2026.04.7 Tue
ウッドフォードリザーブ カクテルコンペティション
「The Wonderful Race 2026」レポート追憶と季節を重ねた
オールドファッションドで
小島卓さんが優勝を獲得
BAR TIMES レポート2026年3月30日(月)、スーパープレミアムバーボン『ウッドフォードリザーブ』を有するブラウンフォーマンジャパン株式会社主催のカクテルコンペティション「The Wonderful Race 2026」の決勝戦が開催された。今大会のテーマは「四季を楽しむオールドファッションド カクテル」。ファイナリスト5名が、それぞれの感性が光るオリジナルカクテルのプレゼンテーションを実施した。新しい才能が開花した瞬間をレポートする。
第3回目を迎える若手バーテンダー向け『ウッドフォードリザーブ』のコンペティション、「The Wonderful Race 2026」。日本国内で酒類提供許可のある施設で勤務する21歳〜35歳のバーテンダーが、独自の技術力と創造力を競い合う。『ウッドフォードリザーブ』の特徴である“ひと口ごとに五感がきらめく200以上の味と香り”の魅力を探求する場でもある。
審査員には、同大会初代優勝者の生天目達也さん(BEE’S KNEES/京都)、海外ゲストからも人気を誇るバーテンダーの中山寛康さん(Bar Nayuta/大阪)、バー&カクテルライターのいしかわあさこさん、PRコンサルタント・お酒ライターの児島麻理子さん(株式会社TOAST)、同社マーケティング本部長・ステファン・モリゼさんといったカクテルに精通する面々が集まった。
入賞の特典として、優勝者にはアジア大会への出場権とウッドフォードリザーブVIP蒸溜所ツアー(米国)を授与。2位にはアジア圏ゲストシフト、3位には国内ゲストシフトが用意された。
ファイナリストのプレゼンテーションがスタートする。審査は、表現力(10点)、ストーリーテリング&コンセプト(10点)、クリエイティビティ(10点)、フレーバー(10点)、ビジュアル(5点)といった項目で評価される。
松本拓弥さん(Waldorf Astoria Osaka, Peacock Alley/大阪)
カクテル名:Charred Orchard
果樹園を一年かけて歩き、静かに「冬」へとたどり着く物語をカクテルに込める。樽の「ロースト感」とその奥から立ち上がる「淡い果実」の二面性を、日本の四季に通じる「時間の流れ」として描く。春:ラズベリーシュラブ、夏:『ジンマーレ』にホップを漬け込んだホップビターズ、秋:『ウッドフォードリザーブ ディスティラーズセレクト』、冬:カカオやスパイスを加えて煮詰めたメイプルリダクションといった素材を調和させる。ガーニッシュは、「ケンタッキーダービー」の伝統的なデザートの「Run for the Roses Pie」。
田辺友美さん(Starbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar/東京)
カクテル名:Harvest Fashioned
日本の四季とりんごが実るまでの一年を重ね、バーテンダーの成長とも重ね合わせる。農園で育つ果実の成熟と『ウッドフォードリザーブ ディスティラーズセレクト』の多層的な香味が響き合い、自然と人の時間が結実する“収穫”を表現。青森県産リンゴジュースを使ったアップルハニーシロップや自家製アップルサイダーベルモットと、バニラやトロピカルフルーツを思わせるコーヒーをエアロプレスで抽出しながら合わせる。ガーニッシュは、りんご飴をイメージしたリンゴスライス(ドライ)とミント。
Wang Sheng(オウ セイ)さん(The SG Club/東京)
カクテル名:In a Wooden Mood
ジャズスタンダード「In a Sentimental Mood」から着想。「四季の木」をテーマに、時が移ろっても本質は変わらないオールドファッションドの普遍性を表現する。『ウッドフォードリザーブ ディスティラーズセレクト』『ウッドフォードダブルオーク』の2種類を使う。サーブ直前のクロモジのスプレーが日本の森を思わせる清冽な木の香りを立ち上げ、無花果の葉の青みとミルキーさ、金木犀シロップの甘味、フィノシェリーのドライネスが香りの層をなす。香木・伽羅(きゃら)を思わせる線香のような余韻が『ウッドフォードダブルオーク』の樽由来のキャラメルと重なる。
小島 卓さん(The Ritz-Carlton, Tokyo The Bar/東京)
カクテル名:Transition Fashioned
季節の移り変わりに人は四季を感じ、感情に強い影響を受ける——幼少期に感じた、夏から秋へと季節が移ろう哀愁を追憶し、カクテルを創作。柚子の香りを移した香木・白檀のスモークをまとわせ、花火の残り香の記憶を呼び起こす。雨上がりの土の香りを思わせる自家製ポルチーニビターズや、秋らしさを感じさせる金木犀とローリエのコーディアルで季節の移ろいを描く。仕上げにはバニラやナツメグなどを合わせたアンバーシロップを。意図的に混ぜすぎない構成が時間の経過とともに味わいにグラデーションをもたらす。
濱 真太さん(茶寧庭/石川)
カクテル名:Shikimeguri Old Fashioned
日本の四季を主軸とし、茶の所作や材料で四季を紡ぐオールドファッションド。『ウッドフォードリザーブ ディスティラーズセレクト』をベースに、練り抹茶と煎茶コーディアルで春夏の清々しさを表現し、オレンジピール&カルダモンのティンクチャーとバニラ・チョコレートビターズで秋冬の温かみと深みを加える。茶筅を用いた茶道の所作をカクテル体験に溶け込ませ、仕上げには金箔をのせ、畳コースターで提供し、和の風情を演出。

厳正な審査の結果、優勝は小島 卓さん(The Ritz-Carlton, Tokyo The Bar/東京)が獲得。2位には、Wang Shengさん(The SG Club/東京)が、3位には濱 真太さん(茶寧庭/石川)が選出された。
小島さんは受賞の喜びをこう語る。
「『信じられない』という驚きの気持ちでいっぱいです。バーテンダーを続けてきて本当によかったと思います。今回もっとも力を入れたコンセプトとストーリーづくりを評価していただけたのだと思います。今回の受賞を自信にして、感謝とともに頑張ってまいります。このような場をつくっていただき、本当にありがとうございます」
2026年5月、中国で開催されるアジアファイナルには、日本代表として出場する。「もうやるべきことをやり切るだけです。一緒に戦ったファイナリストの想いも背負って、精一杯挑みたいと思います」と、意気込みを語った。次なるチャレンジを見守りたい。
小島 卓(こじまたく)さん
1994年生まれ、東京都出身。お客様1人1人の要望に沿った飲み物をその場で創作し、サービスを提供する姿に憧れを抱き、2019年「The Ritz-Carlton, Tokyo」に入社し、バーテンダーとしての一歩を踏み出す。味だけでなく、コンセプトを重視したカクテルづくりを意識している。

インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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