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NEW2026.02.4 Wed

注目のクラファンプロジェクト18人バーテンダーが描く
日本茶×カクテルの物語

Compass_Project

日本茶とカクテル。素材としての親和性を持ちながらも、これまで体系的に語られることの少なかった二つの世界に、いま、18人のバーテンダーがそれぞれの視点から向き合っています。

BAR TIMESが注目したのは、バーテンダー自身が発信者となり、日本茶×カクテルという表現を「一冊の記録」として残そうとする、現在進行形のクラウドファンディング・プロジェクトです。本書はすでに完成した成果物ではなく、これから制作が進み、一冊のかたちへと結実していく過程そのものを含んだ取り組みでもあります。この取り組みが目指しているのは、流行や話題づくりではありません。いまこの時代に、どのような感覚と解釈で日本茶がカクテルとして表現されているのか。その現在地を、作品として、そして物語として記録することです。

バーテンダーが「記録」を選んだ理由
本プロジェクトの大きな特徴は、出版社や研究機関ではなく、日々バーという現場に立つバーテンダー自身が企画の主体となっている点にあります。彼らが描き出す日本茶×カクテルは、決まったスタイルや正解を示すものではありません。それぞれが異なる環境で培ってきた経験や感覚をもとに、日本茶という素材と向き合い、一杯の中にその解釈を落とし込んでいます。だからこそ、この企画では、すべてのカクテルにおいて再現性を前提とした設計がなされています。そのうえで、「どのような視点で、その一杯に辿り着いたのか」という思考の輪郭を、作品として記録することが重視されています。

日本茶×カクテルを「消費」で終わらせないために
近年、日本茶をカクテルに取り入れる試みは、国内外で少しずつ広がっています。しかし、その多くはイベントや期間限定企画として消費され、体系的に記録される機会はほとんどありませんでした。本プロジェクトには、「まだ型が定まっていない、いまだからこそ記録する意味がある」という明確な問題意識があります。この一冊は、完成形を提示するためのものではありません。後から振り返ったときに、「この時代に、こうした視点で日本茶と向き合っていたバーテンダーたちがいた」という事実を残すための、最初の記録です。

18人のバーテンダーが描く、多様な物語
本書には、プロジェクトに参加する18人のバーテンダーによる作品が収録されます。その制作は、バーテンダーを中心に、編集や進行を支えるメンバーも含めた「COMPASS」というチーム体制で進められています。彼らは、同じ経歴や評価軸を持つ集団ではありません。都市部のバーで研鑽を積んできた者もいれば、地域に根ざした現場で表現を磨いてきた者もいます。共通しているのは、評価や流行のためではなく、それぞれの現場で培ってきた感覚をもとに、日本茶と真摯に向き合っているという点です。その多様な視点が交差することで、日本茶×カクテルという表現は、単一のスタイルではなく、いくつもの物語を持った表現として立ち上がってきます。

BAR TIMESではこれまで、バーテンダーを「作り手」であると同時に、文化を更新していく表現者として捉え、取材を続けてきました。本プロジェクトから感じられるのは、派手な演出や即効性よりも、長く参照される記録を残そうとする誠実な姿勢です。クラウドファンディングという手法を選んだのも、単に資金を集めるためではなく、この取り組みの出発点そのものを、支援者と共有したいという意思の表れだと感じています。なお、本プロジェクトは現在クラウドファンディングとして進行中であり、制作の背景や取り組みの詳細は、公開ページで確認することができます。

日本茶×カクテルという表現は、これからさらに多様な広がりを見せていく可能性があります。だからこそ、その広がりの前に、一度立ち止まり、現在地を記録することには大きな意味があります。18人のバーテンダーが描く、日本茶×カクテルの物語。この一冊は、その最初のページです。

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