
NEW2026.01.12 Mon
「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」
優勝者インタビュー「苺大福」を再構築した“デザート インスパイアド ネグローニ”で優勝に輝く
山田寛之さん(BEE’S KNEES/京都)[PR]CAMPARI JAPAN株式会社
鮮やかな赤色、洗練された複雑なフレーバーと苦味のハーモニーを持つハーブリキュール、カンパリ。1860年の創業以来、唯一無二の存在感で多くのバーテンダーの創造力を刺激してきた。
2025年12月、「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」ファイナルが開催された。カクテルの味わいだけでなく、カクテル一杯に込める想いや文化、表現力で評価される。見事、優勝を飾ったのは、山田寛之さん(BEE’S KNEES/京都)。優勝カクテルの着想や創造性、そして、 2026年1月下旬にイタリア・ミラノで開催されるアジア大会出場の意気込みを語ってもらった。
京都の小路にあるバー「BEE’S KNEES(ビーズニーズ)」の目印は、BOOK STOREと書かれた黄色のドアだけ。禁酒法時代のバーをコンセプトにしたスピークイージースタイルだ。アジアのトップバーとして知られ、海外からのお客を中心に連夜満席になる人気店である。ここに「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」で優勝に輝いた山田寛之 さんの、スピーディーにカクテルをつくり、笑顔で海外からのお客をもてなす姿がある。
山田さんは、フレアバーテンディングの大会で世界一の座を射止めたことがある実力者。フレアの大会には「何回出たかわからない」というほど数多く出場しており、受賞もしてきた。だが、それ以外のカクテルコンペティションは未経験だったため、新しい挑戦として今回の出場を決意した。

フレアバーテンディングの輝かしいキャリアを持つ山田寛之さん
「当然、緊張感はありましたが、フレアの大会ではバーテンディングだけでなく音をバッチリ合わせないといけません。予期せぬミスが起こることは茶飯事でした。コンペ前の練習ではミスったら動作を止めるということをせずに練習を重ねていました」
「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」のプレゼンテーションは、すべて英語。高度な表現力が試された。山田さんは噛まずに言えるよう日夜くちずさんでいたため、同店の周りのスタッフも覚えてしまうほどだったという。
「あまりにやりすぎて、暗記したことをただしゃべる感じになってきてしまったので、本番が迫ってきた際には、あえて1日1回と決めて営業後に練習するようにしていました。それでも違和感があったのですが、大会直前に姉妹店の横浜『Newjack(ニュージャック)の周年イベントがあり、そこで出品カクテルを30杯ぐらいつくらせてもらえてだいぶ慣れました。あと、オーナーバーテンダーの(山本)圭介さんとジャカルタへゲストシフトに行った際、圭介さんが『彼はカンパリのセミファイナリストです。今からそのプレゼンやります』と無茶ぶりしてくれて(笑)。海外の方に英語で本番さながらのプレゼンができたことでふっきれましたね」
カンパリにしっかり向き合うことで、山田さんはあらためてその魅力を再認識したという。
「苦味と甘味でおりなす複雑味は、やっぱり唯一無二です。カンパリでつくるネグローニは、数年にわたって世界のカクテルの人気ランキングで1位です。レシピにハーブリキュールではなく『カンパリ』と表記されているのも世界共通の認識。正直、お酒を飲み始めた頃、苦味は日本人は得意じゃないかもと思っていましたが、自分の舌が成熟するにつれて、苦味が癖になり、それがおいしさだと感じるようになりました」

セミファイナルでは、カンパリのシグネチャーカクテルであるネグローニをベースに五感を刺激する1杯を構築することが求められた。山田さんがつくった「Fortuna Rosso(フォルトゥーナ・ロッソ)」は、日本の伝統菓子「苺大福」から発想を得た “デザート インスパイアド ネグローニ”だ。
どのようにして、このユニークなカクテルが誕生したのだろうか。
「カンパリはアペリティーボの印象が強かったので、これまでと違う角度でデザートスタイルにしてみようと考えました。トマトかベリーと合わせたいとイメージしていて、同店先輩の有吉(徹)さんからも『バーのある京都のエッセンスや和のエッセンスはパンチラインになるはず」というアドバイスをもらっていました。たまたま、海外の人が日本の大福への愛を熱く語っているテレビ番組を見て、『苺大福はどうだろう』と閃きました。カンパリとイチゴはとても相性がいいですし、イメージしていたいろんな要素がびたっとはまる。有吉さんに「苺大福でいこうと思います!」と伝えると、「わけわからんことを言いだした」と頭を抱えていましたけれど(笑)』
最初の試作から、最終の出品作品までレシピは大きく変わっていった。はじめは、材料が多く、小豆も使いたいと考えていた。小豆をベルモットに漬け込んだり、羊羹を削って加えたり。でも、どうにもうまくまとまらなかったという。
冷静になって、カンパリと一番調和させたかったのはイチゴだと立ち返る。ピューレはともするとジャムっぽくなってしまうし、かといってお菓子やキャンディのような感じにはしたくなかった。もっとも出したかったのは、イチゴの爽やかな酸味とフレーバーだ。そこで相性がよく、アルコール度数的にもちょうどよいメスカルに漬け込むことにした。
「完成したカクテルの最大のポイントは豆腐フォームのテクスチャーです。液体部分はクラシックなネグローニから大きく外れていないのに、豆腐フォームのとろりとした柔らかくやさしい舌触りで、強めのお酒も全体的にまろやかにしてくれます。このレイヤーを味わっていただきたいですね。時間が経って一体になってくると、イチゴミルクのような飲み心地も愉しめます」

トップには餅の代わりに京都を代表する食材のひとつである豆腐のフォームを使用。シルキーでなめらかな口当たりがカクテル全体をやさしく包み込む。ネーミングは「大福」=「ビッグフォーチューン」として、カンパリの「赤」をイメージし「Fortuna rosso(イタリア語で[赤い幸福]の意」と名付けた。
- Fortuna Rosso(フォルトゥーナ・ロッソ)
- 〈材料〉
カンパリ…30ml
モンテロボス エスパディン
ストロベリーインフューズド(※1)…15ml
チンザノ ベルモット ロッソ…10ml
豆腐フォーム (※2)…20ml
ガーニッシュ:
ストロベリーパウダー、いちご大福
(※1)モンテロボス エスパディンにフリーズドライのイチゴを入れ、常温で1日ほど漬ける。
(※2)豆腐、豆乳、塩、バニラエッセンスを混ぜ、ミルクフォーマーで泡立てる。- 〈つくり方〉
- ①グラスに氷を入れる。ミキシンググラスに氷、チンザノ ベルモット ロッソ、モンテロボス エスパディン、カンパリを入れてステアし、グラスに注ぐ。
②泡立てた豆腐フォームをグラスに浮かべ、ストロベリーパウダーを振る。いちご大福を添える。

Fortuna Rosso(フォルトゥーナ・ロッソ)のメイキング動画はこちらから
「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」優勝後、当日だけで山田さんのインスタのフォロワーは100人、次の日は200人も増えた。
「旬なうちに返さないと、と帰りの新幹線でもずっと返信をしていましたがそれでも追いつかなかったですね。私たちのバーは常連の方の割合が多いわけではないのですが、大会後に何回もいらしてくれたり、次の日すぐにかけつけてくださるお客様もいました。京都の周りのバーテンダー方にもとても喜んでいただけました。関東の出身なので、関西の方々に気にかけてもらえてすごく嬉しかったですね」
バーテンダーとしての心境の変化も生まれた。
「仕事としては変わらないところも多いので、栄誉に恥じないよう日々の仕事に向き合って、カンパリの魅力を届けていきたいと思います。これまでは自分のことばかりに目を向けていましたが、これからは後輩たちが大会に出場するサポートをして、チーム全体で盛り上がっていきたいと考えています」
2026年1月には、イタリア・ミラノでアジア・ファイナルが開催される。日本を含むアジア11の国と地域から選ばれたファイナリストが、アジアチャンピオンの座に挑む。味わいの完成度に加え、カクテルに込めたストーリーとその表現力も審査の重要なポイント。英語でのプレゼンテーションを必須とし、国際舞台で通用する総合力が問われる。
「大きなことを言っちゃうとダメなタイプの人間なのですが(笑)、正直、1位以外は負けだとは思うので、気持ちを強く持って臨みたいですね。11人のうち5人がグランドファイナルに残れるので、落とせない緊張と、フレア以外の大会で初めて海外に出るので純粋に負けたくない。応援してくれる方々のためにも全力を尽くしたいと思います」

山田寛之(やまだ ひろゆき)
1988年生まれ、埼玉県出身。ホテルに勤務しながらフレアバーテンディングの練習を始める。その後、アメリカンレストラン&バー「TGI FRIDAYS」、東京・池袋「COLORSOL QUALIA(カラソルクオリア」で働きながら、フレアバーテンディングの経験を重ね、10年ほどのキャリアを積む。2012年、フレアバーテンダーの大会「TGI Fridays Bartender Championship」でアジアチャンピオン、さらに世界チャンピオンの座を獲得。その後も国内大会で優勝10回以上、バリ島で開催されるフレアバーテンダーの大会「Bali Stars War」で第3位に輝くなど、グローバルな舞台でも存在感を発揮する。2023年より、京都「BEE’S KNEES 」のカウンターに立つ。「CAMPARI RED HANDS APAC 2025 日本大会」で優勝を果たす。
BEE’S KNEES(ビーズニーズ)
アメリカ禁酒法時代のNYのスピークイージー(潜り酒場)をテーマとする。店名は、その時代に生まれたというクラシックカクテル「BEE’S KNEES」に由来。日本や京都のカルチャーを取り入れながらモダンツイストしたクラシックカクテルを楽しめる。2020年以降「Asia’s 50 Best Bars」のTOP50に4年連続でランクイン、2024年、2025年はTOP100に選出。
京都府京都市中京区紙屋町364
Tel:075-585-5595
Instagram @bees.knees.kyoto
CAMPARI RED HANDS
「CAMPARI RED HANDS」とは、カンパリの本質を体現し、クリエイティブで情熱的、職人のスピリットを持ったバーテンダーの集まりを指します。そのアジアチャンピオンを決めるカクテルコンペティション「CAMPARI RED HANDS ASIA 2025」が1月に開催。日本をはじめとする11カ国から地域予選を勝ち抜いたバーテンダーが、カンパリグループ本社のあるイタリア・ミラノで、アジアの頂点に挑みます。日本代表として山田寛之さんが出場します。
CAMPARI RED HANDS JAPAN公式サイト
CAMPARI RED HANDS JAPAN 日本大会の結果はこちら
CAMPARI
鮮やかな赤色、心地よい苦味がほろ苦い唯一無二のハーブリキュール。カンパリは1860年にイタリアで誕生。オレンジやハーブの洗練されたアロマとビターテイストを生み出す秘蔵のレシピは脈々と受け継がれ、世界190カ国以上で愛飲されている。また、英国の飲料専門誌「Drinks International」が選ぶ「The World’s Best Selling Classic Cocktails」(世界のバーで最も人気のクラシックカクテル ランキング)でカンパリを使った代表的カクテル「ネグローニ」が、世界第1位を獲得。
CAMPARI 公式サイト
インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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