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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2019.08.12 Mon

特集企画「トニックエッセンス ジントニックスタイル」 Vol.4塩分を排出し、酸味、塩味、旨味を持つ。
ジントニックにおけるライムの存在。

北添 智之(Mixologist株式会社代表)

昨年、大きな話題を呼んだ「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」。バーテンダーのみなさまからの熱いご要望を受け、2019年も「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス プロモーション」が実施されることを記念して、本企画ではトニックエッセンスを監修した5人のバーテンダーに開発当時のお話を伺いながら、スペシャルなジントニックをご紹介いただきます。今回ご登場いただくのは、Mixologist株式会社代表の北添さんです。


お酒はおいしく、健康に飲むもの。日本で最初にミクソロジーの手法をカクテルに取り入れた北添さんは、フルーツの持つ栄養成分が人間の体にとって実は大きな働きをもたらしてくれると語る。トニックエッセンスの苦味と甘味、ライムに含まれる酸味、塩味、旨味。栄養にフォーカスを当てた北添さんのジントニックを聞いた。(撮影/RAGE COFFEE BAR PLAZA GINZA)



現代の日本人に大切な要素を含む、
栄養学の観点からみたジントニックとは。

10代の頃から思い描いていた夢を実現させるために、僕はここ最近、真剣に栄養学を学んでいるんです。以前、僕がつくるカクテルは不思議と二日酔いになりにくいってお客様に言われたことがありました。それってどうしてだろうって、色々な情報からおおよそ調べていましたが今改めて勉強してみると、栄養学の観点で僕は正しい方法をとっていたんだということが分かりました。二日酔い防止には、基本的に肝機能を高める必要があって、それにはミネラルやアミノ酸、グルタミンやアリシン等が効果的とされています。お酒とそれらの成分を含むフルーツなどを合わせることで二日酔いしづらい飲み方ができる、ということなんです。ジントニックもそうで、ライムにはミネラルも含まれていて、特にカリウムも豊富にあります。例えばカリウムは、摂りすぎた塩分を体から排出してくれる働きがあるので、現代の日本人にとってはすごく大事な栄養素なんです。そういう意味で、ジントニックは体を思いやりながら、おいしく飲んでいただけるカクテルだと思います。


エッセンスとライムを増やし、より深く、より爽快に。
五味五感にうったえるジントニックの味わい。

トニックエッセンスの開発メンバーで考えたプライムジントニックのレシピは、ボンベイ・サファイアの特徴が生かされていて、見た目にも美しく洗練されたものでした。サファイアのメージにすごく合っていますよね。でも僕は、トニックエッセンスの量とライムの酸味をもう少し増やして、より深みを出すことと、より爽快感を出したジントニックもありだと考えています。トニックエッセンスを15mlに、ライムをぎゅーっと絞って、苦味と甘味と酸味のバランスをとったものです。一般的に味わいの構成は、甘味、苦味、酸味、塩味、旨味で、この5つが舌で味わいを感じる味蕾(みらい)という器官を刺激するといわれています。ジンはスピリッツの中では、柔らかな甘味を持っているもので、トニックエッセンスにも甘味、苦味があります。ライムには酸味のほか塩味も旨味も含まれています。それら一つひとつのバランスをうまくとることで、ふくよかな味わいのジントニックになるんです。皮付きライムが目に鮮やかで、柑橘がふわっと香り、冷たいグラスの感触、口に含むとたまに果肉が入ってきて(笑)。今度は五感の話になりますが、多くの人が頭の中で描くジントニックのイメージは、だいたい同じだと思うんです。五味五感はジントニックにとって基本だと思うし、トニックエッセンスを使ってもそのアプローチは残しておきたいなって思うんです。


ライム皮表面のオイルを拭き取った後、グラスに落とす。RECIPE


◎ボンベイ・サファイア      30ml
◎トニックエッセンス       15ml
◎ライムジュース         5ml
◎ソーダ              適量
◎ライム             1/4


2018年に誕生したトニックエッセンスについて、どんなプロジェクトだったのか、また北添さんがどのようなポイントにこだわって開発を進めたのか、改めて聞いた。

本物のトニックの原液をつくるためには、
キニーネの苦味成分は必要不可欠だった。

トニックウォーターの原点となったキナは、18世紀に流行したマラリアの特効薬として注目されました。他の生物にとって害はあるけど、それを薬として採用することで人間の体を守る自然毒という概念です。それをそのまま引き継ぎ現代風にしたのがこのトニックエッセンスだと思っていて、キニーネを入れるか、入れないかでは圧倒的に本物感が違います。私たちとしては本物のトニックの原液をつくりたかったので、キニーネは必要不可欠なものでした。キニーネにはずっと味覚にまとわりつくような苦味があって、それがジントニックに生きてきます。このトニックエッセンスでは、苦味が発揮された本物のジントニックが味わえると思います。
クリアな味わいのサファイアだからこそ、
ちょっとしたものがマイナスに作用する難しさ。

開発メンバーの皆さんとは、世代がほぼ同じなので以前から接点はあったんです。20代の頃は一緒にカクテル談義をさせて頂いた事もありました(笑)。そういうことを想い出しながら、ああでもない、こうでもないってひとつのものを創りあげていく作業ってすごく楽しかったです。ボンベイ・サファイアでつくるジントニックに合ったトニックエッセンスの開発ということでしたが、サファイアの味わいがクリアなので、ちょっとしたものでもマイナスな味になってしまう難しさはありました。メンバーの皆さんと何度も擦り合わせを行い、本当に良いものができたと思っています。



北添 智之(きたぞえ・ともゆき)プロフィール
Mixologist株式会社代表取締役。「BAR RAGE AOYAMA」(東京・青山)などの経営を行う。

「ボンベイ・サファイア トニックエッセンス」とは
ボンベイ・サファイア トニックエッセンスは、5人のレジェンドバーテンダー監修のもとに開発された、ボンベイ・サファイアのための本格的なトニックエッセンスです。
トニックエッセンスとは、トニックウォーターの原液です。すでに完成されたトニックウォーターとは異なり、混ぜる炭酸水の水質、硬度、ガス圧、分量などによって味わいが変化します。トニックエッセンスを使うことによってカクテルの幅が広がり、つくり手であるバーテンダーのこだわりと調合技術をカクテルに色濃く反映させることが出来ます。




取材撮影/ BAR TIMES
取材協力 / バカルディ ジャパン株式会社

   

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