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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2016.11.14 Mon

SAKETRY 「思い出のボトル」第十八回よりレダイグ1992 10年 ブラックアダー
森田 哲也 氏

絵:佐藤英行
文と写真:いしかわあさこ

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レダイグはスコットランド・マル島にあるトバモリー蒸留所が生産するピーテッドモルトの銘柄で、トバモリーの名が付くものはノンピートとして現在は位置づけられている。1798 年の創業から休業と再開を繰り返しており、以前は蒸留所生産のものがレダイグ、同じアイランズ(諸島)エリアに分類されるジュラやタリスカーとのヴァッテッドがトバモリーと呼ばれていた。このボトルは1993 年、グラスゴーのバーン・スチュワート社が買収する直前に蒸留されたものである。
「ボトラーズのウイスキーは加水してもどっしりとした感じのものが多いですが、これは麦の香りや樽香、ほのかなピート感が爽やか。全体的に朗らかなイメージで、新鮮でした」


当時、森田哲也さんが勤めていたバーはボトラーズブランドのウイスキーを数多く取り揃えていた。ウッドフィニッシュが台頭してきた時期に、対極にあるようなシンプルさ。
この蒸留所へ行ってみたい――。森田さんは、5泊7日のスコットランド旅行へ出かけた。
ローランドのオーヘントッシャン蒸留所から入り、車で移動するも思うように動けずトラブル続き。最終日の前夜にはハイランドのオーバンに辿り着き、翌朝にフェリーでマル島へ向かうはずだったが、パブで地元の人と意気投合して飲みすぎてしまった。起きると、既に出航後だった。
2005年に独立開業してから、長期間の休みはそう取れない。あれから10年以上の月日が流れたが、スコットランドへは行けず仕舞いだ。楽しくも、苦い思い出。しかし、いつか必ずあのフェリーに乗ってマル島へ行きたいと思っている。きっと蒸留所も、首を長くして待っているはずだ。

In The Still
神奈川県横浜市中区野毛町2-100
045-261-0888
営業時間:18:00~02:00/日曜休み

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佐藤英行
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
facebook https://www.facebook.com/h.sato.phs

いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
facebook https://www.facebook.com/asako.ishikawa.5

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